Research Abstract |
62年度は, 連鎖的国際比較を具体化して, ヨーロッパ3ヶ国(西ドイツ, フランス, イギリス)を対象に比較調査を実施した. 調査項目は, 各対象社会において継続調査に使用された項目を基礎にして, 61年度に選定作業を進めたものを中心に約100項目をとり上げ, 各国においてプリテストを実施し(1)質問項目の質問順序, (2)面接調査員回答記入様式, (3)回答選択肢のコード, (4)質問文の翻訳の是非・ワーディング, (5)社会経済的基本属性項目等につき検討を重ね, 各国で使用する本調査用調査票を作成した. また, 連鎖的比較研究を進めるに当たり自由回答型式の質問が有効であるとの認識を得たので, プリテストで調査可能性を確認し, 本調査にとり入れた. この自由回答型式質問の回答の多次元的解析は従来フランス側共同研究者ルバール教授の下で研究されてきたが本格的各国語による比較研究の解析は今回が初めてであり, データ解析を効果的に行うため新技法の開発もあわせて進められている. 本調査は有権者(満18歳以上市民)を対象にする層別多段抽出(イギリス), 地域層別代表標本法(フランス, 西ドイツ)で実施され(有効回答数, イギリス1043, フランス1013, 西ドイツ1000), 現在データ・クリーニングと並行して, 共通ファイルの作成を進め, 63年度実施予定(日本, アメリカ, ハワイ)の比較調査結果をまって総合的分析を行う予定である. 統計データ解析法は, 61度に基本設計を終えた「多重並列型データ総合分析システムーMulti-PASS」のグラフィック機能, データ・ベース機能, データ・ファイル管理機能等に関するソフト開発を進めプロトタイプの試用をはじめた. この他, IBM・PCを購入し, 統計ソフトSPSS等を連鎖的比較研究に利用するため, 共通ファイルの作成を進めた.
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