1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61108007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松下 雪郎 京大, 食糧科学研究所, 教授 (70027176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名武 昌人 神戸大学, 農学部, 教授 (00031170)
寺尾 清 千葉大学, 生理活性研, 教授 (30009120)
藤本 健四郎 東北大学, 農学部, 教授 (00005620)
橋本 周久 東京大学, 農学部, 教授 (30011828)
大村 浩久 九州大学, 農学部, 教授 (40038154)
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Keywords | 酸化 / 抗酸化剤 / 変異原 / 抗変異原物質 / 発ガン物質 / エンジオール / トコフェロール / 貝毒 |
Research Abstract |
食品には有害成分が含まれることがしばしばである。天燃の有害物質が含まれる場合があり、また有用成分も加工・調理の間に劣変して有害成分を生ずることもある。1。酸化劣変と変異原生成では、食用油中のクロロフィルは油脂の酸化につれ分解されるが、なお光増感作用を示し、また大豆油の戻り臭はシリカカラムで除去しうる微量成分による(藤本)。変異原テストとして、Amesテスト,Rec-assay,SOSクロモ試験、小核試験によりエンジオール類について比較テストを行い、前3者によるエンジオール類は普遍的に変異原性を示すが、後者では少数のものに限られたる(大村)。リポソームにベンツピレンを取り込ませると脂質酸化に対応してベンツピレンのキノン生成が起こる、これは発ガン物質の活性化で、抗酸化剤の添加により仰えられた(松下)。冷凍マグロの酸化劣変を防ぐにはph6.5における凍結、解凍が最適である。(橋本)。2。抗酸化剤と抗変異原物質では、ゴマ種子中に抗酸化剤セサミノールを見いだし、マウスのラジカル障害を仰制した(並木)。オレガノ葉中に5種の抗酸化剤を見いだした(中谷)。アスコルビン酸はラジカル捕促能があるが、鉄イオンを還元して脂質の酸化を促進し、α-トコフェロールも鉄イオンを還元する。(二木)。BHT含有飼料で飼育したマウスに対して四塩化炭素投与するとき肝中心性壊死の範囲が狭く、ミトコンドリア変性も軽度である(寺尾)。亜硝酸とトリプトファン及びBHAの反応から生ずる変異原に対する抗変異原物質として還元性物質の効果が認められた(名武)。発ガン性のジメチルニトロソアミン生成を仰制する因子がレモン抽出物中に存在する(定家)。3。天燃毒としては、下痢原性毒を二枚貝から単離しその構造を決定、その起源は渦靭毛藻にある(安元)。ダイズ種子中のトリプシンインヒビターは2種、発芽種子中には1種存在し、それぞれ熱耐性を異にする。(外村)。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] J. Terao: Arch. Biochem. Biophys.254. (1987)
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[Publications] H. Omura: Acta Vitaminologic et Enzymologica. (1987)
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[Publications] Y. Fukuda: Agric. Biol. Chem.50. 857-862 (1986)
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[Publications] C. J. Chow: J. Food Sci.(1987)
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[Publications] K. Terao: J. Free Radicals in Biol. and Med.(1987)
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[Publications] E. Niki: Bull. Chem. Soc. Jpn.59. 497-501 (1986)
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[Publications] Y. Endo: J. Am. Oil Chem. Soc.
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[Publications] N. Nakatani: Agric. Biol. Chem.
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[Publications] M. Mizuno: Mutation Research. 176. 179-184 (1987)
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[Publications] M. Natake: Nutrition anc Cancer. 8. 41-45 (1986)
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[Publications] J. Terao: FEBS letter.
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[Publications] J.S.Lee: Agric. Biol Chem.51. (1987)