1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61301002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 専学 東大, 文学部, 教授 (40011366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江島 恵教 東京大学, 文学部, 助教授 (70115103)
辛島 昇 東京大学, 文学部, 教授 (10014466)
原 実 東京大学, 文学部, 教授 (40011283)
高崎 直道 東京大学, 文学部, 教授 (60027969)
山崎 利男 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (20012966)
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Keywords | インド / インド中世史 / インド中世宗教思想史 / 仏教 / ジャイナ教 / ヒンドゥー教 |
Research Abstract |
本研究は、これまで比較的等閑に付されてきたインド中世の宗教思想史を研究対象とし、わが国における、インド中世史・中世宗教思想史を専門とする、あるいはその領域に強い関心をいだく研究者を結集し、それらの研究者の学際的協力を得て、可能なかぎり、インド中世宗教思想史の実像を明らかにすることを目的としている。研究組織は、I.インド中世史の研究,II.ジャイナ教の中世的展開,III.仏教の展開と滅亡,IV.ヒンドゥー教の発達,V.外来思想のインド的展開とヒンドゥー教,VI.総括より成る。 初年度にあたる昭和61年度には、各研究分担者は当該の分担領域における内外の関連資料を収集し、整理・分析した上で、従来の研究状況を正しく理解し、問題点の把握につとめた。そのため、文献資料のカード整理などの作業には、必要に応じて大学院生等の協力を求め、研究を進めた。また、11月7日(金)には研究懇談会をもち、本研究の研究顧問である中村元東大名誉教授に講演を依頼し、その後、インドの中世史および中世宗教史に関する活発な討議を行った。同研究顧問は、インド史における古代、中世、近代という時代区分には、研究者によって多少意見の相違がある点をまず指摘し、その上で、古代の普遍的国家が崩壊(6C初めにグプタ王朝が滅亡)し、その後近代の民族主義的国家が成立(16C後半アクバルが北インドを統一)するまでの間が〈中世〉と位置付けられる旨を説明した。また、インド中世の宗教思想史上の特色は、その前半は普遍的な宗教(仏教)が依然として影響力をもち、後半になって、仏教が衰微し、民族主義的な宗教(ヒンドゥー教)が確立してくる点にみられると解説した。講演後の討議では、インド中世史・中世宗教史研究の現況と展望について、活発な意見交換を行い、合わせて、本研究の最終年度である昭和62年度の研究の方向とその具体的な取りまとめ方を検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sengaku Mayeda: The Adyar Library Bulletin. 50. 138-164 (1986)
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[Publications] 高崎直道: 印度学仏教学研究. 35-1. 1-10 (1986)
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[Publications] 原実: 東方. 2. 92-111 (1986)
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[Publications] Yasunori Ejima: 仏教文化 学術増刊号. 17. 1-40 (1987)
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[Publications] Katsuhiko Kamimura: The Adyar Library Bulletin. 50. 418-430 (1986)
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[Publications] 木村清孝: 印度学仏教学研究. 35-1. 126-131 (1986)