お雇い日本人教習の研究-中国・朝鮮の教育近代化過程における日本人の活動とその役割

1986 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 61301036
• Research Institution: National Institute for Educational Policy Research
• Principal Investigator: 阿部 洋 国立教研, その他, 研究員 (40000046)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 槻木 瑞生 同朋大学, 社会福祉学部, 教授 (30022396) ; 二見 剛史 鹿児島女子大学, 文学部, 教授 (00102640) ; 馬越 徹 名古屋大学, 教育学部, 助教授 (60000030) ; 稲葉 継雄 筑波大学, 文芸言語学系, 講師 (00134180) ; 大塚 豊 国立教育研究所, 第5研究部, 研究員 (00116550)
• Keywords: お雇い教習 / 中国近代教育史 / 朝鮮近代教育史 / 植民地教育 / 東文学堂 / 日語学校 / 京師大学堂 / 直隷師範学堂 / 京城学堂 / 渡辺龍聖 / 服部宇之吉 / 岩間徳也 / 藤田豊八 / 戸野みちえ / 幣原坦 / 隅元繁吉 / 渡瀬常吉

Research Abstract

1.研究目的・計画本研究は、二十世紀初頭の中国・朝鮮における日本人教習・顧問の活動をつぎのような観点から系統的に考察しようとする。
(1)彼らの中から教育行政、高等教育、教員養成、女子教育などの各分野の代表的人物を取り出し、その活動の全貌を解明する。
(2)彼らの行動を、中国・朝鮮の教育近代化過程の中に有機的に位置付け、それを通して日本の近代教育が両国の教育に及ぼした影響を考察する。
2.研究の成果(1)本研究組織は、中国班・朝鮮班の二班に分かれ、まず外交史料館や京都大学人文科学研究所などでの基礎資料の調査・収集作業から着手した。その結果、貴重な資料が数多く発見され、従来不明であった諸事実の解明が可能となった。
(2)研究代表者、分担者はそれぞれ別個に研究課題を追求する一方、定期的に全体集会をもち(本年度2回開催)、また各班ごとの分科会も随時開催して、研究成果を相互に検討した。
(3)その研究成果の一部は、中国班では、代表者によるR.ヘイホー女史編『中国と先進工業国との教育交流』への分担執筆(「日本からの借用-中国最初の近代教育制度」)や、槻木委員の満州での日本人教習の活動に関する論文「関東州普蘭店公学堂についての覚書」として公にされた。
(4)朝鮮班では、稲葉委員の旧韓末における日語学校の研究が進展し、「官立漢城外国語学校について」や「京城学堂について」など、一連の成果がまとめられた。また研究代表者による『日本植民地教育政策史料集成』全68巻の整理が進み、その第1期分として、「教育要覧類」4巻が公刊されたのも一つの成果である。

Research Products

• [Publications] 槻木瑞生: 同朋大学紀要. 第1号. 45-65 (1987)
• [Publications] 稲葉継雄: 東京韓国研究院『韓』. 103号. 133-182 (1986)
• [Publications] 稲葉継雄: 教育史学会紀要[日本の教育史学]. 第29集. 76-94 (1986)
• [Publications] 稲葉継雄: 日本語教育学会紀要[日本語教育]. 第60号. 136-148 (1986)
• [Publications] 阿部洋: "SERVITUDE OR LIBERATION?China,s Eductional Relations with the Industrialized World"edited by Ruth Hayhoe.,M.E.SHARP INC.63-80 (1987)
• [Publications] 阿部洋,渡部学: "日本植民地教育政策史料集成(朝鮮篇),第1集「教育要覧類」4巻" 龍渓書舎, 1,448 (1987)