1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61301047
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Research Institution | The Toyo Bunko |
Principal Investigator |
志茂 碩敏 東洋文庫, その他, 研究員 (80142058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 皓一郎 北海道大学, 文学部, 助教授 (00002163)
縄田 鉄男 熊本大学, 文学部, 教授 (50032438)
岡崎 正孝 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (90030163)
黒柳 恒男 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (20014409)
本田 實信 名古屋商科大学, 商学部, 教授 (50000526)
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Keywords | ペルシア語写本 / ペルシア語写本目録 / ペルシア語文献ユニオンカタログ |
Research Abstract |
1979年、イランにおけるイスラム革命の勃発と共に我が国では東洋文庫をはじめとする研究所,大学,図書館等に大量のペルシア語文献が菟集され、これらのペルシア語文献は直ちに整理されて目録が刊行された。さらに、これらの目録を基礎に、世界最初のペルシア語文献ユニオンカタログ(所在総目録)が作成されるに至り、ペルシア語原資料を用いての研究気運が急速に高まった。イランを中心とするペルシア語文化圏各地の共通点、相違点を明確にし、イスラム文化におけるペルシア文化の特質を解明しようとする本研究もこのような一連の流れの中で企画され、実現したものである。 本年度、研究代表者、及び各研究分担者は各自の専門分野の代表的ペルシア語文献の中から可能な限り写本を用いて基本的重要事項と術語を抜き出し、整理して翻訳する作業を行った。志茂(『貴顕系譜』),本田(『集史』,『五族譜』),岩見(『学習の基礎』),関(『旋律の意図』),その他,岡崎,縄田,小山,加藤,中村,堀川,井谷等は小グループの共同作業を重ね、作業の過程で予期しなかった多くの貴重な発見をし、刊本に比して写本がいかに重要であるかを再確認させられた。これらの作業を通じての成果は、我が国におけるペルシア語写本による諸研究を可能ならしめ、我が国のペルシア語文化圏研究を世界のレベルに到達せしめ、やがてはこれを凌駕する第一歩を踏み出すことを成功させたことといえる。ペルシア語文献の大量菟集とユニオンカタログの作成という基礎作業の成果が研究面で大きく結実しつつあることを痛感するが、ペルシア語写本目録やペルシア語写本マイクロフィルムの菟集、及びマイクロフィルムのプリント化等の重要案件はほとんど手がつけられていない状態であり、これらを、ペルシア語刊本菟集の充実と共に、早急に実現していかなければならない。
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