1986 Fiscal Year Annual Research Report
日本語音声の地域差・世代差の音韻論的・音響学的分析
Project/Area Number |
61301057
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
井上 史雄 東京外大, 外国語学部, 助教授 (40011332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤崎 博也 東京大学, 工学部, 教授 (80010776)
中本 正智 都立大学, 人文学部, 助教授 (20083230)
佐藤 亮一 国立国語研, 言語変化第一研究部, 室長 (00000406)
加藤 正信 東北大学, 文学部, 教授 (90004035)
荻野 綱男 埼玉大学, 教養学部, 助教授 (00111443)
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Keywords | 日本語 / 音声 / 音響学 / 方言 / 音韻 / 地理的分布 / アンケート / 電子計算機 |
Research Abstract |
日本語の方言の特色音声は、共通語化により失われる一方であるのに、統一的手法による相互比較可能な音声資料は未だに収集されていない。一方、最近急速に発達した実験音声学的手法による研究が、方言音声に適用され始めているが、未だ断片的である。本研究では、この分野に実績のある研究者が共同して、現代日本の方言音声の実態について、これまでにない広がりと深さをもって解明することを目的とした。最近の共通語化と日本語音韻の長期的変化傾向にも着目して、将来の変化動向をも見通すことによって、音声学・方言学・国語教育学に資することができる。 61年度には、次のような研究を実施した。a.音声分布調査ーー調査方法・調査項目を検討し、全国33高校で第1次調査を行った。高校の国語教師を通じて調査票・カセットテープ等を配布し、高校生および地元出身の老人に各種の音声をテープに吹きこんでもらった。集まったテープ144本で、老年層と高校生あわせて、約300人の音声データが得られた。これを調査項目ごとに別テープに編集しなおした。分担の研究者が全体を通して聞き、結果を電子計算機に入れる作業は次年度に持ち越した。b.重点調査ーー全国的にみて重要と思われる3地点を選んで地域分担の研究者が出向いて、音韻論的分析を行った。また全国用の音韻調査票の原案ができた。それと共に、音響学的に理想的な環境で、分析に耐えうる良質な録音をとった。得られたものから順に、ソナグラフまたは電子計算機による周波数分析などを施している。 c.打ち合わせ会ーー年2回開き、調査・分析方法を検討し、各自の分担について成果を発表すると共に、次年度の調査の計画を進めた。
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Research Products
(1 results)