1986 Fiscal Year Annual Research Report
貿易黒字,為替レート,および内需拡大を含む開放マクロ政策とその実証分析
Project/Area Number |
61301073
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
鬼塚 雄丞 横国大, 経済学部, 教授 (00028052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深尾 京司 一橋大学, 経済研究所, 専任講師 (30173305)
平山 健二郎 京都産業大学, 経済学部, 助教授 (70165207)
工藤 和久 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (00083329)
秋山 太郎 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (40167854)
山本 拓 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (50104716)
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Keywords | マクロ計量経済モデル / 国際収支 / 為替レート / 国際金融 / 期待 |
Research Abstract |
本研究会のメンバーは、月一回研究会を開き、各人の成果の交換と問題の集中討議を行ってきた。中型マクロモデルのコア(基本)となる部分(コア・モデル)の構築に重点をおいた結果、コア・モデルとしては数種類の試行品が完成し、モデルの特性テスト、シミュレーション等が実施されている。反面、コア・モデルの開発に時間とエネルギーをとられたため、各個別セクターについては行動方程式の解明が遅れ気味である。例えば、国際金融セクターにおいては、変動相場制の下での為替レート決定メカニズムの分析等に関して一定の成果を上げ、また米国の高金利とドル高の是正が日本の産業調整に与える影響についても理論的に解明されつつある。しかしながら、昨年の円安から急激な円高への変化を説明するためには、G-5の効果を含む期待要因やバンドワゴン効果の分析をすすめる必要があり、これらをモデル内に明示的に取り込む可能性をはじめ、まだまだモデルとしての改良の余地は大きい。特に、期待変数の導入に関しては、時系列モデルを用いた分析やサーヴェイデータの利用をも考えてはいるが、モデル構築上克服すべき困難は予想以上に大きい。このほか、日本の貿易黒字や米国の赤字を中長期的I-Sバランスの視点、特にいわゆる国際収支発展段階説の視点から説明する理論研究にかなりの成果を挙げたが、実証研究は着手したばかりである。 以上の成果を踏まえ、今後、財政金融政策主導型の内需拡大政策の効果、円高、民活型政策(デレギュレーションを含む)等の効果をうまく処理出来るように方程式の特定化を工夫する予定である。あわせて、税制の変化に伴う貯蓄率の変化やその他の税制改革の効果についても検討するつもりである。
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[Publications] 鬼塚雄丞: 国際通貨に関する第6回日米会議で発表 主催 日本国際金融情報センター(日本)と国際経済研究所(IIE). (1987)
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[Publications] 山本拓: 大阪大学経済学. 37. (1987)
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[Publications] 山本拓,竹内恵行: 経済学論集. 52. 30-50 (1986)
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[Publications] 秋山太郎: エコノミア(横浜国立大学経済学会). 88. 39-49 (1986)
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[Publications] 深尾京司,刈屋武昭 他: 経済分析. 105. 1-75 (1986)
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[Publications] 平山健二郎: KSU Economic and Business Review. 13. 13-30 (1985)
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[Publications] 秋山太郎: "「貯蓄と日本経済」(内「日本の貯蓄・投資バランスと国際経済」P1〜52担当)" 貯蓄経済研究センター, 370 (1986)
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[Publications] 深尾京司,刈屋武昭: "「合理的予想形成仮説によるインフレ・為替分析」" 有斐閣,