1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61301083
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 博行 京都大学, 農学部, 教授 (60003068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 清一 岡山大学, 農学部, 助教授 (90134197)
熊谷 宏 京都大学, 農学部, 助教授 (20003139)
桂 瑛一 信州大学, 農学部, 教授 (70035989)
北出 俊昭 明治大学, 農学部, 教授 (00169864)
堀田 忠夫 愛媛大学, 農学部, 教授 (40036439)
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Keywords | 都市化 / 都市農業 / 田園都市 / 緑地 / 生鮮食料供給地 / 集約農業地帯 / 土地利用計画 / 農村総合整備 |
Research Abstract |
わが国の都市化地域において進行している都市化が農業・農村におよぼしている影響を調べ、その変貌の様相を類型区分して、各類型ごとの土地利用転換や農村総合整備の方向を、農業生産のみならず農業のもつ緑地・生態機能にも留意して、農村と都市との調和に関する理念にまでさかのぼって、考究することがこの研究の最終的課題である。 研究の第1年度は、既存資料・文献による理論的・実証的研究、近畿圏における事例的・予備的研究を、第2年度は、統計資料の解析による研究、首都圏、地方都市近郊での実態的研究を主としてすすめてきた。そこで、第3年度である今年度は、以上の諸研究の整理をすすめるとともに、海上大橋(鳴門大橋)によって急激なインパクト(都市圧)を受けつつある鳴門市と、いまひとつの大都市圏、中京圏名古屋市港区に事例をもとめ、実態的研究をすすめた。 鳴門市の農業は、大橋の設置によって京阪神地域ときわめて近距離となり、元来野菜作地帯であったのがその傾向を一層色濃くしている。立地論的研究にとってはすばらしい好事例となっている。一方、名古屋市港区には稲作地域があるが、農業労働力が劣質化するなかで、地域農業組織(農協作業受託組織、作業共同集落組織)の形成によって能率の高い農業を実現し、都市域へのすばらしい緑地空間を供給している。また、高齢者のすばらしい生きがい農業を実現している。農村と都市とのすばらしい調和を形成しているのである。 この3カ年間の研究の整理を通じて、都市域内、都市近郊、地方都市近郊の間には土地利用の方法と転換、農家の農業生産・経営行動、そこで発生している農業側からみた、あるいは都市側からみた問題などに、かなり大きな違いがあることが判明した。これらの分析は今後もなお、続けられる予定である。
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Research Products
(1 results)