Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天谷 孝夫 岡山大学, 農学部, 助教授 (80033265)
尾崎 繁 鳥取大学, 農学部, 助教授 (10032088)
足立 忠司 岡山大学, 農学部, 教授 (20012007)
三野 徹 岡山大学, 農学部, 教授 (10026453)
佐藤 晃一 愛媛大学, 農学部, 教授 (70033149)
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Research Abstract |
1. 近年, 平担地水田地帯や暖傾斜地の圃場整備は積極的に行われてきているが棚田といわれる急傾斜地水田(1/20以上)の圃場整備は極めて立ち遅れている. 特に, 中国・四国地区は地形,土地条件等が劣悪であり, 棚田の割合が全国平均を著しく上回っている地域である. 本研究の目的は, このような土地生産性, 労働生産性の極めて低い棚田の分布状況,立地条件,土地利用等の実態を総合的に把握し, 地域の特性を生かした土地利用, 営農のあり方,汎用化のための基盤整備の方向を検討し, あわせて急傾斜地域の集落整備のあり方について, 各人の専門からアプローチし研究成果を総合することにある. 2. 前年度に農林水産省と中国地方各県により実施されたモデル地方圃場整備計画を検討した結果, まちなおしによる棚田整備の得失を判定するのに適切なモデル地区として, 今年度は岡山県美星町明治地区を選定し, 数段階の整備水準を基本に主にコスト面からその優劣を検証した. その結果, 傾斜1/8以上の急傾斜水田の場合には, 区画はまちなおし法により整備し, 道・水路は在来のものを使用することにより, 大幅に事業費削減を図ることができることが明らかとなった. 3. 本研究の特長は, 棚田のみならず集落と里山とを取り込んだ, 地域全体の整備を一体的に指向する所に大きい. これにより, 圃場整備の直接的効果は当然として, 経済的に計測できない効果, すなわち定住促進効果, 水源かん養効果 (かん養並びに洪水防止効果) ,さらには国土保全効果(土砂流出防止効果,土壌保全効果)などの波及効果が極めて大きく発揮されることがわかった. そして, 計画から施工,保全菅理に至るまでの, 総合的な棚田地帯の整備手法案を提示した.
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