1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61304008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
米田 満樹 京大, 理学部, 教授 (50017183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜口 幸久 東京工業大学, 理学部, 助教授 (70016161)
馬渕 一誠 東京大学, 教養学部, 助教授 (40012520)
平本 幸男 東京工業大学, 理学部, 教授 (50011440)
沢井 毅 山形大学, 教養部, 教授 (10007239)
片桐 千明 北海道大学, 理学部, 教授 (90000827)
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Keywords | 細胞分裂 / 核分裂 / 卵成熟 / 減数分裂 / 紡錘体 / 細胞質分裂 / 発生開始 / 細胞周期 |
Research Abstract |
1.卵成熟・発生開始の機構に関しては、マウス卵の成熟促進因子MPF活性の出現が、第一減数分裂中期に蛋白合成非依存性から依存性に切り替わることが発見された。カエル卵の発生開始に伴う周期的な弛緩と盛り上がりには、卵核胞内容物が必要であることがわかった。Ca-イオノフォア及びサイトカラシンBの効果から、ヒトデ卵の単為発生には付活と共に極体形成の阻害が必要であると推論された。 2.有糸分裂における染色体運動の機構に関しては、人工的に作られた半紡錘体は、形態的に正常の紡錘体と全く等しい複屈折性をもつが、染色体の極への運動は見られないことが示された。未受精マウス卵母細胞の染色体運動開始機構には、細胞内Caイオン濃度の増加による機構と、それに依存しないものの二つがみつかった。ラットカンガル-PtK2細胞の紡錘体はダイニン1のA重鎖に対する抗体で染色された。 3.細胞質分裂に関しては、イモリ卵を寒天ゲルの細溝に入れて第二分裂面の向きを調べた結果、分裂装置が最も発達する分裂開始40分前に決定されることがわかった。ウニ卵から得られた20K-Aプロテインは分裂溝の部分に多く、アクチンによく付くため、卵細胞の表層にアクチンをつなげる役割を果しているらしい。エクオリンの顕微注入で調べたウニ卵のフリーCaは卵割のたびに僅かに上昇することが分かったので、Caによる分裂溝形成の制御が推論された。粘菌のアクチン遺伝子をプローブにしてテトラヒメナにアクチン遺伝子があること、及びそれが活発に転写されていることを確かめた。 4.細胞周期の開始については、雄性発生における第一分裂開始の遅れが、精子双星期の延長によることがわかった。細胞周期の特定のphaseに特異的な物質に対する単クローン抗体作成の試みがなされ、M期の核に特異的な抗原に対する単クローン抗体が得られた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Maeno,M.;T.Nakamura;S.Tochinai;C.Katagiri: Transplantation. 42. (1987)
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[Publications] T.Sawai: J.Cell Sci.
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[Publications] T.J.Ito;H.Sato;A.Kobayashi: Zool.Sci.4. (1987)
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[Publications] S.Hisanaga;K.Tanaka;K.Masaki;H.Sakai;T.Mabuchi;Y.Hiramoto: Cell Motility & Cytoskeleton. 7.
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[Publications] M.Hirono;H.Endo;N.Okada;O.Numata;Y.Watanabe: J.Mol.Biol.193. (1987)
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[Publications] H.Y.Kubota;Y.Yoshimoto;M.Yoneda;Y.Hiramoto: Develop.Biol.119. 129-136 (1987)
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[Publications] 沼田治,渡辺良雄 丸山工作,矢原一郎編: "テトラヒメナの中間フィラメント 続生化学実験講座6巻 細胞骨格の構造と機能" 東京化学同人, (1986)
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[Publications] 大塚英司,玉野井逸朗,片桐千明: "図説 免疫生物学入門" 朝倉書店, 132 (1986)