1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61304034
|
Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
永井 克孝 東京大学, 医学部, 教授 (80072974)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 民夫 都臨床研, 所長 (00009862)
脊山 洋右 東京大学, 医学部, 教授 (90010082)
星 元紀 東工大, 理学部, 教授 (20012411)
石塚 稲夫 帝京大学, 医学部, 教授 (10012725)
安藤 進 都老人研, 生化学, 室長 (30073000)
|
Keywords | 複合糖脂質 / ガングリオシド / シアル酸転移酵素 / 抗糖脂質抗体 / 胎児性抗原 / 細胞分化誘導活性 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き細胞識別に関与する糖脂質の単離および構造研究を行った。棘皮動物;星、貝類;板坂、林、魚類;石塚、モルモットハーダー腺;脊山、ヒト脊髄;大橋、PC12細胞;山形、から中性糖脂質、ガングリオシド、ホスホ・糖脂質、硫糖脂質を分離精製した。各々の構造を決定、抗体を作成し、細胞膜系における分布、存在様式、作用機作を調べた。糖脂質の構造解析には質量分析法が有用な手段であることを認めた(永井)。糖脂質を直接細胞に添加することによって増殖制御や分化誘導が可能であることが明らかにされ、この方面の研究は加速度的に拡大しつつある(白血病細胞およびシュワン細胞の分化誘導;飯田、GM_3、ネオグリコリピドによる白血病分化誘導機能の解析;斎藤、HL-60細胞分化過程における糖脂質変動の作用機序;桃井)。細胞の増殖や分化段階あるいは癌化、加令によって糖脂質が変化することが認められた(ヒト癌胎児性抗原としての糖脂質;神奈木、脳シナプス機能の加令変化;安藤)。糖脂質発現をコントロールする酵素的・遺伝的脊景に関する研究(糖脂質発現制御の解析;山川、ガラクトシアリドーシスにおけるガングリオシド代謝異常;宮武、ガラクトシドーシス患者肝におけるβ-ガラクトシダーゼの酵素免疫学的解析;宇田、ピリジルアミノ化糖を用いた糖転位酵素の活性測定法;谷口、エンドグリコセラミダーゼの精製とエンドグリコセラミダーゼによる生きている細胞からの糖脂質由来オリゴ糖の遊離;山形)、その糖脂質発現と細胞機能相関について様々なアプローチが試みられた(病理性大腸菌腺毛タンパク質と糖質レセプター;内貴、WHHLウサギおよび正常ウサギ皮膚線維芽細胞の脂質組成;武富)。糖脂質研究の今後の発展にとって重要な基礎を与える貴重な成果が数多く得られた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] K.Kojima,;M.Iwamori,;S.Takasaki,;K.Kubushiro,;S.Nozawa,;R.Iizuka,;Y.Nagai.: Analytical Biochemistry. 165. 465-469 (1987)
-
[Publications] E.Ono,;K.Abe,;M.Nakazawa,;M.Naiki.: Infection and Immunology. 57. (1989)
-
[Publications] Maiji-Liisa Rasilo,;T.Yamagata.: FEBS LETTER. 227. 191-194 (1988)
-
[Publications] K.Nohara,;M.Ohashi.: J.Biochem.102. 923-932 (1987)
-
[Publications] T.Kawaguchi,;T.Takaoka,;E.Yoshida,;M.Iwamori,;Y.Nagai.: Experimental Cell Research. 179. 507-516 (1988)
-
[Publications] H.Nojiri,;S.Kitagawa,;M.Nakamura,;K.Kirito,;Y.Enomoto,;M.Saito.: J.Biol.Chem.263. 7443-7446 (1988)