1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61304035
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
田中 亮 名古屋市大, 医学部, 教授 (90094383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 直正 金沢大学, がん研究所, 教授 (40094445)
佐武 明 新潟大学, 脳研究所, 教授 (70018589)
加藤 兼房 愛知県コロニー発達障害研究所, 室長 (50022801)
加藤 尚彦 東京大学, 医学部, 助教授 (80010023)
内村 英幸 国立肥前療養所, 所長
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Keywords | 糖脂質 / 酵素的サイクリング超微量測定法 / グリア細胞増殖抑制因子 / 神経突起伸展因子 / 神経成長因子 / ストレス / 脳型アルドラーゼ / 脳内カテコールアミン代謝 |
Research Abstract |
中枢神経系は発生の初期に構成分のニューロンとグリア細胞が強い相互関与を行う事実と、その機構の詳細を部分的ではあるが明らかにした。具体的には以下の通りである。 1.構成細胞の生化学的特質-ザリガニとアメフラシの神経節と繊維は共にセレブロシド、スルファチドガングリオシドを含まず、2-アミノエチルホスホン酸を含む糖脂質をガングリオシドの代りに含むことを発見し、構造を決定した。特にニューロピルにこれらの糖脂質の分布することを明らかにした(佐武)。酵素サイクリング超微量測定法を確立しこれによって、GABAとグルタミン酸脱炭酸酵素に関し、プルキニエ細胞と脊髄運動ニューロンの動物種による特殊性をつきとめた(加藤尚)。 2.液性因子による相互作用-グリア細胞増殖抑制因子の物理化学的性質を決定した。これが腫瘍性グリア細胞の増殖もまたS期直前で抑制し、作用発現に形質膜外表面の特異的レセプターの必須であることを確実にした(加藤泰)。神経突起伸展因子のレセプターがニワトリ大脳のニューロンで発生初期にのみ発現し、同因子生産細胞がニューロンネットワーク形成期に著しく増加することを示す結果を得た(三木)。胎仔から生後10数日のラットの中隔野のニューロンに対する神経生成長因子の作用を調査し、この因子が胎仔の場合はコロナージックニューロンを特異的に分化促進し、生後はその生存維持に作用することを確めた(畠中)。 3.中枢神経の統合的活動-中枢カテコールアミンニューロン特にノルアドレナリンニューロン系は拘束ストレス、甲状腺機能抵下などに対し、抵抗あるいは適応する反応機構で重要な役割りを果すこと、同様に隆起・漏斗ドーパミン系が活性化され下垂体ホルモン調節を修飾することを示した(内村)。酵素抗体法による検出法を確立し、脳特異性クレアチンキナーゼおよびアルドラーゼC4のヒト各組織の分布を明らかにした(加藤兼)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nakakara,T.: Analytical Biochemistry. 154. 194-199 (1986)
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[Publications] Kato,K.: Journal of Neurochemistry. 46. 1555-1560 (1986)
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[Publications] Hatanaka,H.: Developmental Brain Research. 30. 47-56 (1986)
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[Publications] Araki,S.: Journal of Biological Chemistry. 261. 5183-5144 (1986)
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[Publications] Murashima,Y.: Journal of Neurochemistry. 46. 166-172 (1986)
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[Publications] Ito,J.: Brain Research. 374. 335-341 (1986)