1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61304047
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
酒井 邦夫 新大, 医学部, 教授 (20018378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 眞理 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (20143779)
大川 智彦 東京女子医科大, 学, 助教授 (80085604)
荒居 竜雄 医療法人本島病院, 副病院長 (20175946)
山本 正治 新潟大学, 医学部, 教授 (40018693)
橋本 省三 慶応大学, 医学部, 教授 (40050348)
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Keywords | 放射線治療 / 二次がん / 放射線誘発がん / 重複がん |
Research Abstract |
1.良性疾患照射後の発がん新潟大学で1962年〜1975年に良性疾患で放射線治療を行った194例について追跡調査を行ったところ、142例(73.2%)が生存中、36例(18.6%)が死亡、16例(8.2%)が追跡不能であった。生存中の142例中6例,死亡の36例中5例,全体では194例中11例(5.7%)にがん発生が認められた。このうち照射野内または辺縁部から発生したものは3例(1.5%)であった(斎藤班員,山本班員)。 2.悪性腫瘍照射後の発がん放医研病院で1960年〜1978年に治療した子宮頚癌の放射線単独治療例1165例および手術後放射線治療例324例、合計1489例における放射線誘発がんについて検討した。まず追跡の精度を重複癌の発生頻度でチェックしたところ、9975人年の症例における0/E比は64/48=1.303、95%信頼区間1.00-1.69で統計的に信頼できる精度と考えられた。放射線治療後の放射線誘発がんを、治療後5年以上(白血病の場合は2年以上)経過して、照射区域内で、子宮頚部とは異なる部位に発生し、原発癌とは病理組織が異なるものと定義すると、11例がこれに該当した。これを統計処理すると、白血病は0/E比16.4(95%信頼区間4.47-42.06)で有意差がみられたが、直腸癌はO/E比3.36(95%信頼区間0.692-9.81)で有意差は認められなかった(荒居班員)。東京女子医大で1966年〜1982年に扱った頭頚部悪性腫瘍947例では、重複癌は66例(6.97%)にみられ、喉頭癌との組み合せが21例で最も多い。喉頭癌が先行したものは15例で、このうち第2がんが照射野内または辺縁から発生したものは同時性の1例を除くと2例に過ぎなかった。喉頭癌放射線治療後の二次がんについて、引き続いて多施設の参加による協同研究を実施中である(大川班員)。
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