1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61304063
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大沢 利昭 東大, 薬学部, 教授 (40012603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 明身 東京都臨床医学総合研究所, 室長 (70134533)
山科 郁男 京都大学, 薬学部, 教授 (70025675)
永井 克孝 東京大学, 医学部, 教授 (80072974)
井上 圭三 東京大学, 薬学部, 教授 (30072937)
木幡 陽 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30030852)
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Keywords | 複合糖質 / 糖たんぱく質 / 糖脂質 / プロテオグリカン / 免疫細胞 / 分化 / グリコシルトランスフェラーゼ / レクチン |
Research Abstract |
【I】微量複合糖質構造解析の基礎技術の開発:糖鎖ピリジルアミノ誘導体の部分アセトリシスを行い、ピリジルアミノ化したのち、フラグメントをHPLCにより分析し固定することにより、オリゴマンノース型糖鎖の枝分かれ構造を決定できた。各種ムチン型糖鎖結合性レクチンを不溶化し、これら不溶化レクチンの糖結合特異性を詳細にしらべ構造研究への応用の基礎を固めた。 【II】免疫細胞機能と複合糖質:自己免疫病モデルマウス脾臓中のT細胞、B細胞の細胞表面複合糖質を蛍光性ラベルを施した各種レクチンで染め、フルオロサイトメトリーでしらべた。またこれらの細胞では細胞膜β-ガラクトシルトランスフェラーゼ活性が高いことも見出し、疾患との相関を検討する。 【III】細胞の分化、組織形成と複合糖質:末分化間充織細胞が軟骨に分化する際、細胞外マトリックスのプロテオグリカンの質的変換が起ることを明らかにし、末分化細胞が作るプロテオグリカンの構造を解析した。イモリ受精後40時間における初期胚の末分化外胚葉の表層オリゴ糖鎖をグリコペプチダーゼで除去すると外胚葉は神経へと分化せず表皮になってしまう。このオリゴ糖鎖をしらべたところハイマンノース型糖鎖の領域に多種類の糖鎖が存在していることが判明し、これは時期と場所について極めて特異的であった。 【IV】病態と複合糖質:ラットに生理的変化を起させた時の胃粘膜中の粘液糖たんぱく質の変動を調べた。絶食後アスピリン投与による傷害発生率は増大し、糖たんぱく質の減少率も大きかった。酸分泌を抑制すると粘液糖たんぱく質生合成活性が激減した。これらの変化は胃体部において顕著であった。 【V】複合糖質変化を制御する遺伝子の解析.マウス肝のGM1発現に関与する遺伝子群のうちの一つはH-2K遺伝子座より1cM動原体側にあることが明かとなり、この遺伝子はGM1の合成にかゝわるガラクトース転移酵素活性を調節しているものと考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Koyama: FEBS Letter. 209. 265-268 (1986)
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[Publications] S.Sueyoshi: Carbohydrate Research. (1987)
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[Publications] K.Kimata: J.Biol.Chem.261. 13517-13525 (1986)
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[Publications] N.Takahashi: Biochemistry. 25. 388-395 (1986)
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[Publications] S.Ohara: Comp.Biochem.Physiol.84C. 7-9 (1986)
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[Publications] T.Yamakawa: Chem.Phys.Lipids. 42. 75-90 (1986)