1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61410010
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Research Institution | Kyoto National Museum |
Principal Investigator |
森 郁夫 京博物館, その他, 研究員 (50000477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下坂 守 京都国立博物館, 学芸課, 主任研究官 (10150038)
難波田 徹 京都国立博物館, 京都文化資料研究センター, 資料調査研究室長 (90000364)
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Keywords | 平安京 / 条坊 / 都城 / 城柵 / 地形図 / 遺構 / 遺物 |
Research Abstract |
本研究における経過作業として、昭和52年度から54年度にかけて作成した平安京域の地形図10面を活用し、発掘調査によって検出した遺構の記入を行なった。同図も、本研究によって作成するものと同梯尺(千分の1)である。検出遺構は各時代にわたっており、重複がいちじるしいため、それらの中から平安時代,鎌倉・室町時代,江戸時代の遺構を抽出し、それぞれを別個に集成した。この作業を重ねることによって、平安京域の時代的推移をとらえることができよう。 また、都城遺跡の関連資料を、多賀城,秋田城等の城柵遺跡、各地の官衛遺跡において収集に努めた。文献史料としては、17世紀から19世紀にわたる各時期に作成された平安京内の地図史料を収集し、さらに中国の都城関係史料の収集も合わせて行なった。本年度収集のこれらの資料によって平安宮の復原図を作成したが、従来復原されていたものと、発掘調査成果にもとづく殿舎の位置が必らずしも一致しないことが明らかになった。平安宮域については、発掘調査によって明らかにされている範囲が少ないのであるが、資料の蓄積によって復原図の補訂が可能である。今後は、本年度新たに作成した地形図に検出遺構を記入し、平安京の一部地域であっても、その状況を把握することに努めたい。
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