1987 Fiscal Year Annual Research Report
分析イオン顕微鏡の製作とそれによる隕石中の軽元素同位体比変動の測定
Project/Area Number |
61420017
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
西村 宏 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (30029722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武司 秀夫 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (10029605)
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Keywords | イオン顕微鏡 / SIMS / 同位体比変動 / マグネシウム |
Research Abstract |
分析イオン顕微鏡の分析部として昭和61年度に製作した分析管の真空排気テストを行い,ベークアウトなしの状態で1×10^<-7>Torrの到達真空度が得られることがわかった.さらに,短時間ではあるがベークアウトを行なった結果,約1桁高真空の到達真空度が得られることも判明した. 本年度は,試運転により明かとなった,ターボ分子ポンプの振動の影響を取り除くため,ベローズを用いた継ぎ手を購入した.さらに,各部を固定設置するための架台,電磁石微動のための移動台,イオン源容器類,イオン源用電極類,試料導入部等の設計・製作を行なった. 今後は,これら製作した部品を接続し,真空排気テストを行なうと同時に,超高真空を確保するためのベークアウトを繰り返す予定である. これらイオン顕微鏡装置の製作と並行して,周辺装置として,プリズムとテレビカメラを組み合わせて使用することにより,試料表面の動的観察および表面の連続記録を可能とするため,顕微鏡テレビ装置とビデオデッキを設備として購入した.これらのテストについては,イオン顕微鏡本体の完成を待って行なう予定であるが,各設備単独での動作は良好であることがわなった. 一方,従来から引続き行なっている同位体比変動の研究に関しては,隕石のコンドルール中でマグネシウム同位体異常を示す鉱物種を同定するため,大阪大学の日立IMAー2A型SIMSによる同位体比測定と同時に,鳴門教育大学のEPMAを用いてSIMSによる分析場所の元素の定量分析を行った.その結果,当初SIMSの分析のみから推定されていた通り,フォルステライト成分に富んだカンラン石中に主として^<24>Mg同位体過剰が存在することがつきとめられた.
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[Publications] 西村 宏: 学術月報. 40. 70 (1987)
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[Publications] H. Nishimura: Secondary Ion Mass Spectrometry (SIMS VI)(ed. by A.Benninghoven et al.). (1988)
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[Publications] H. Sakaguchi: Mass Spectroscopy. 36. (1988)
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[Publications] H. Nishimura: Mass Spectroscopy. (1988)
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[Publications] 久米昭一,諏訪兼位,岡野純,小泉格,西村宏: "地球:その実像" 学術図書出版, (1988)