Research Abstract |
I.試料液体及び実験方法 本年度実験に用いた試料液体は, 前年度に決定したnーヘキサン, シクローヘキサン, 1ーヘキセン, ベンゼン, 液体窒素の他に, nーデカン, 2ーメチルペンタン, 純水を追加した. 本年度の実験方法としてはイメージコンバータカメラを用いた発光の流し撮リと, シュリーレン法による破壊前駆密度変化の進展の観測を行い, それぞれ同時に前駆電流の測定をも行った. II.発光 炭化水素液体, 液体窒素における発光開始電圧は負針の方が正針より低いが, 純水においては正針の方が低かった. 発光のストリーク写真から, 発光はまず針先に観測され, その発光が進展して全路破壊に至るが, nーヘキサンとシクローヘキサンにおいてのみ全路破壊に至らない場合に平板上での発光が観測された. III.密度変化 負針における密度変化の形状は, ベンゼンにおいてのみトリー状とブッシュ状が観測されたが, 他の液体では全てブッシュ状のみであった. これは全路破壊時の発光形状と一致するものであった. また, 密度変化の進展速度は, 炭化水素液体においては100m/s前後であるが, ベンゼンにおいては1km/sと速く, 液体窒素と純水では数100m/sの速度を示した. 一方, 正針における密度変化の形状は, トリー状のみ(1ーヘキセン, nーオクタン, nーデカン, 2ーメチルペンタン), トリー状とブッシュ状の両者(nーヘキサン, シクロヘキサン, 純水, 液体窒素), および放射状のみ(ベンゼン)の3つが観測された. また, 密度変化の進展速度は, ベンゼンで1km/s, 他の炭化水素で3〜4Km/sであったのに対し, 純水と液体窒素では数10Km/sと高速であった.
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