• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

1988 Fiscal Year Annual Research Report

気相反応中間体の動的挙動ーーレーザー誘起蛍光・位相差法による研究ーー

Research Project

Project/Area Number 61430001
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

佐藤 伸  千葉大学, 教養部, 教授 (30016042)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 綱島 滋  東京工業大学, 理学部, 教授 (20016108)
Keywords励起三重項状態 / 色素レーザー / エネルギープーリング
Research Abstract

昭和63年度は、昭和62年度までの「励起状態のイミノラジカルの反応の研究」に区切りをつけ、「励起状態の金属原子間のエネルギー移動過程」についての研究を行った。対象とした金属は亜鉛とカドミウムである。亜鉛やカドミウムなどII族の金属原子の最低励起三重項状態はスピン一軌道相互作用のため三つに分裂する。希ガスとの衝突によって誘起されるこのスピン一軌道状態間の遷移の速度はこれらの状態間のエネルギー差に大きく依存する。一般に、エネルギー差が希ガスと金属原子の衝突エネルギーよりも大きいときには遅く、小さいときに速いことが知られている。ところで、亜鉛の場合はスピン一軌道状態間のエネルギー差が熱平衡下での衝突エネルギーにほぼ等しい。そのため、衝突による遷移の速度が希ガスの種類によって大きく異なる可能性が考えられた。そこで、我々は、色素レーザーの波長を亜鉛の共鳴線307.6nmに同調させ、亜鉛蒸気と希ガスの混合系に照射した。反応系からの発光強度の時間依存を希ガスの種類や圧力を変えて測定することにより種々の希ガスによるスピン一軌道状態間の遷移の速度を求めた。その結果ヘリウムによる遷移の速度はアルゴンやキセノンなどの他の希ガスによる遷移の速度より二桁以上大きいことが判明した。この結果は量子力学的緊密結合法を用いた理論計算の結果と比較的良い一致を示した。また亜鉛の三重項励起状態の寿命の正確な決定も行った。カドミウムについては、二個の三重項状態の原子同士の反応によってさらにエネルギーの高いカドミウム原子が生成する、いわゆるエネルギープーリングについての研究を行った。その結果、高い励起状態の生成は、中間状態なしで生成する直接的機構と、準安定状態のカドミウム原子を経て生成する間接的機構の二通りあることがわかった。エネルギープーリングにおいて準安定状態の原子が関与するという発見はこれまでに報告されていない。

  • Research Products

    (4 results)

All Other

All Publications (4 results)

  • [Publications] 梅本宏信,菊間淳,綱島滋,佐藤伸: Chemical Physics. 120. 461-467 (1988)

  • [Publications] 梅本宏信,菊間淳,綱島滋,佐藤伸: Chemical Physics. 123. 159-164 (1988)

  • [Publications] 梅本宏信,菊間淳,綱島滋,佐藤伸: Chemical Physics. 125. 397-402 (1988)

  • [Publications] 梅本宏信,菊間淳,正木明,佐藤伸: Chemical Physics. 127. 227-237 (1988)

URL: 

Published: 1990-03-19   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi