1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61430020
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
園田 昇 大阪大学, 工学部, 教授 (20083983)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 昭弥 大阪大学, 工学部, 助手 (30183031)
柳 日馨 大阪大学, 工学部, 助手 (80210821)
神戸 宣明 大阪大学, 工学部, 講師 (60144432)
|
Keywords | 一酸化炭素有効利用 / 金属セレン触媒 / カルバモイル化 / オキシカルボニル化 / カルバモセレノアート / セレノール炭酸 |
Research Abstract |
本研究は、一酸化炭素有効利用のための新しい触媒系の開発を目的とするものである。本年度は、前年度得られた知見を基に、金属セレンを触媒とするカルボニル化反応の反応経路を明らかにするとともに、この反応中間体、および反応中間体から誘導される含セレン化合物を利用する新しいカルバモイル化反応、およびオキシカルボニル化反応を開発した。本年度得られた成果の概要を次に示す。1.第2級アミンを用いてセレン触媒によるカルボニル化反応の反応経路を検討し、本反応は次の経路で進行することを明らかにした。(1)セレン、アミン、一酸化炭素の反応によりカルバモセレノアート塩を生成する。(2)カルバモセレノアート塩が酸素により酸化されビスカルバモイルジセレニドを生成する。(3)このビスカルバモイルジセノドに対するアミノリシスにより尿素が生成するとともに、カルバモセレノアート塩を0価のセレンを再生する。第1級アミンの場合にも、室温以下の温度ではこの経路で反応が進行していると考えられるが、加温下ではカルバモセレノアート中間体よりセレン化水素が脱離して生成するイソシアナートを経て進行する経路も存在することを明らかにした。2.上記ビスカルバモイルジセレニドを用いる新しいカルバモイル化法、および塩基性条件下アルコール、一酸化炭素、セレンより生成するセレノール炭酸塩を利用するオキシカルボニル化法を開発した。(1)第二塩化水銀または四塩化スズ存在下、各種芳香類化合物とビスカルバモイルジセレニドとの反応では、位置選択的にカルバモイル基が芳香環に導入された。基質として環状エーテル類を用いた場合には、開環反応が進行し、ωーハロアルキルカーバマートが得られた。(2)セレノール炭酸塩とアルキルハライドとの反応により各種Seーアルキルセレノール炭酸エステルを合成するとともに、これと塩基との反応により脱セレン化反応が進行しオキシカルボニル化生成物が得られた。
|
-
[Publications] Noboru Sonoda: J.Org.Chem.53. 3387-3389 (1988)
-
[Publications] Noboru Sonoda: Chem.Lett.1805-1806 (1988)
-
[Publications] Noboru Sonoda: Phosphorus and Sulfur. 38. 137-148 (1988)
-
[Publications] Noboru Sonoda: Tetrahedron Lett.29. 6121-6124 (1988)
-
[Publications] Noboru Sonoda: Tetrahedron Lett.29. 6137-6140 (1988)