1986 Fiscal Year Annual Research Report
顕微分光法による木材成分の生成及び分解過程の組織化学的研究
Project/Area Number |
61440016
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
深沢 和三 北海道大学, 農学部, 教授 (40001408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹谷 宜志 北海道大学, 農学部, 教授 (80001410)
香山 彊 北海道大学, 農学部, 教授 (60101135)
高部 圭司 北海道大学, 農学部, 助手 (70183449)
今川 一志 北海道大学, 農学部, 助手 (30002059)
大谷 諄 北海道大学, 農学部, 助教授 (30001465)
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Keywords | 木材細胞壁 / 顕微分光 / 組織化学 / セルロース / ヘミセルロース / リグニン / 堆積 / 分解 |
Research Abstract |
蛍光顕微鏡光度計(カールツアイスUMSP50)を設置した。設置後の期間が短いために十分なデータをだすにいたっていない。しかしながら細胞壁成分の堆積及び分解について次の結果を得ることができた。 1.トドマツ庄縮あて材仮道管の壁形成過程における多糖類の堆積をカルコフルオール染色により検定した。カルコフルオールによる蛍光は、2次壁外層形成開始期に細胞コーナで認められ、つづいて2次壁外層の全周、次いで中層の全周、内層へと求心的に移動し、最終的には壁と内こうの境界部のみとなる。これはセルロース,ヘミセルロースの堆積経過と、リグニンの沈着による蛍光の消失を示すもので、62年度に設置する紫外線の顕微分光装置によるリグニンの検出とあわせて研究を進めていく。 2.カルコフルオールによる多糖類の検出で、担子菌プロトプラストの細胞壁再生の状況をみた。細胞壁再生率は4時間後で4.2%,24時間後で15.2%であった。プロトプラストの活性をみるのに非常に有力であることがわかった。3.広葉樹の2次師部厚壁細胞の木化は、木部細胞の木化にくらべかなり特異的である。リグニンの自家蛍光及びアクリジンオレンジによる蛍光染色によりハルニレ2次師部厚壁細胞のリグニンの堆積過程をみた。厚い2次壁形成後、内こう側から外方へリグニンは堆積していき、その期間は非常に長いことが判明した。師部細胞の成熟については未知なところが多い。 4.広葉樹のCTMP-【O_3】プロセスによる脱リグニンの過程をみた。木繊維のリグニンはオゾンにより層状に溶出することを明らかにした。すなわち単離した繊維の2次壁外層から順次中層、内層へと進み、オゾンの処理時間によって異っていることを示した。 以上の成果は、まだ予備的なものであり、機器の整備と共に発展させていく。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 高部圭司,深沢和三: 第31回リグニン討論会講演要旨集. 1-4 (1986)
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[Publications] 竹田昌文,寺沢実,香山彊: 第31回リグニン討論会講演要旨集. 5-8 (1986)
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[Publications] 高部圭司,宮内孝治,深沢和三: 第37回日本木材学会大会発表. (1987)
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[Publications] 三浦清,西口恭彦,香山彊,藤川清三: 第37回日本木材学会大会発表. (1987)
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[Publications] 今川一志: 第37回日本木材学会大会発表. (1987)
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[Publications] 尹承洛,小島康夫,香山彊: 第37回日本木材学会大会発表. (1987)