1986 Fiscal Year Annual Research Report
デジタル胸部X線画像の診断能向上に関する画像処理および表示手法の最適化
Project/Area Number |
61440048
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
橋本 省三 慶応大, 医学部, 教授 (40050348)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾川 浩一 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (00158817)
安藤 裕 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (20118904)
油田 信一 筑波大学, 電子情報工学系, 助教授 (00092502)
中島 真人 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (20051766)
|
Keywords | デジタル胸部X線画像 / 医用画像処理 / 画像入出力装置 / 画像の帯域圧縮 / 画質評価 / 特徴抽出 / 画像表示 / 診断能 |
Research Abstract |
本年度は、医用画像処理ワークステーションとしてのハードウェアシステムの構築、デジタル胸部X線画像データの入力・出力のための基本プログラムの開発、画像処理のためのアプリケーションプログラムの開発に関して重点的に研究開発を行ってきた。今回、構築した医用画像ワークステーションの問題は、画像表示を主体とする計算機と画像処理計算を主体とする計算機の間の画像データの転送に時間がかかる点、階調処理におけるウィンドウやレベルの調節のためのマン・マシーン・インターフェースの点等である。今後、医用画像処理機の普及に伴ってこれらの問題が重要になると思われる。胸部X線画像のデータ入力に関する研究では、現在、レーザーを用いたフィルムリーダーを使用しているが、この場合、透過した拡散光を検出しているためX線フィルムをデジタル化する際、その周波数応答が劣化するという問題が明らかになった。従って、レーザー光線のスペックルノイズに起因した周波数応答の劣化を改善することが今後の課題となると考えられる。しかし、フィルムリーダーは従来より用いられていたドラムスキャナーによる画像入力に比較し、手軽で、かつ高速にデータを入力することが可能なので普及していくと考えられる。胸部デジタル画像の処理に関しては、離散的コサイン変換(DCT)による画像の帯域圧縮を主に研究した。この結果、変換ブロックの大きさに依存したブロックアーチファクトの除去や、圧縮画像の復元時に特異的に生ずるアーチファクトの低減は、特に大量の画像を扱うPACSシステムにおいては緊急な課題となると考えられた。また、画質を定量的に評価するために、人工的に作られた任意の円形陰影を実際のデジタル胸部X線画像の上に重畳し、様々なシミュレーション画像を作成し、評価法の検討を始めた。さらに、この画像の客観的妥当性を得るために、実際のX線を用いた基礎ファントム実験を開始した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] S.Hashimoto;Y.Ando;E.Kunieda;K.Ogawa: The 3rd PACS/PHD Symposia(Medical Imaging Technology). 4. 134-135 (1986)
-
[Publications] 安藤裕,国枝悦夫,尾川浩一,橋本省三: 第6回医療情報学連合大会論文集. 395-396 (1986)
-
[Publications] 尾川浩一,安藤裕,国枝悦夫,橋本省三 他: 日本医学放射線学会誌. 47. 163 (1987)
-
[Publications] 尾川浩一,安藤裕,国枝悦夫,塚本信之,橋本省三: 映像情報. 5月号. (1987)
-
[Publications] Y.Ando;K.Ogawa;E.Kunieda;N.Tukamoto;S.Hashimoto: The 4th PACS Symposia(Medical Imaging Technology). 6月号. (1987)
-
[Publications] 青木誠,黒谷憲一,尾川浩一,安藤裕,国枝悦夫: 医用画像工学シンポジウム論文集(Medical Imaging Technology). 6月号. (1987)