1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61440060
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
戸部 隆吉 京都大学, 医学部, 教授 (70025641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 一知 京都大学, 医学部, 講師 (90168435)
濱島 義博 京都女子大学, 学長 (00089103)
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Keywords | 慢性胆膵胃瘻犬 / 腹部臓器血行動態 / 意識下血行動態 / 合成ヒトCCKー33 / レセプタ- / 膵部分自家移植 / 移植膵血行動態 / ラ氏島の電顕観察 |
Research Abstract |
平成元年度における研究実施計画に対する研究実績を要約すると以下の通りである。1)意識下で膵液・胆汁分泌変動を同時に観察できる動物実験モデル(慢性胆膵胃瘻大)を完成し、内因性負荷を施行後、血中CCK放出変動との同時観察を行った結果、膵液、胆汁分泌機序に対するCCKの生理的意義を明らかになし得た。2)レ-ザ-ドップラ-血流計及び超音波トランジットタイム血流計を併用することにより、腹部臓器血行動態を有機的に捉えることが可能になった。プロスタグランディン及びEGFの作用について検討したところ、両者はともに肝血流を増加させることが明らかになり、肝切除後の肝再生にとっても有利に働く可能性が示唆される。さらに、超音波トランジットタイム血流計のプロ-ベを肝動脈、腹腔動脈、上腸間膜動脈、門脈に装着後埋め込みを施行し、意識下で安定して血流変動を観察できるようになり、消化器臓器血行動態の生理的な変動を明らかになし得た。3)新しく合成されたヒトCCKー33の生理活性を明らかにした。さらに、ヒトCCKー33をはじめとするCCKの大分子系と、CCKの小分子系との膵に対する生理活性や、膵腺房細胞のレセプタ-に対する特異的結合能について比較検討した結果、CCKの大分子系の活性やレセプタ-への結合能は、小分子系のそれと全く同じであることがわかった。CCKの小分子系が大部分肝において代謝されることを考慮すると、CCKの大分大系の果す生理的意義は極めて重要であるといえよう。4)イヌを用いて膵部分自家移植を施行し、脾摘前後及び移植前後における膵血行動態変動を観察し、さらに長期経過後で移植膵における血行動態や、消化管ホルモンに対する血流反応を検討した結果、移植膵において血流動態が十分に保持され得ることがわかった。移植膵におけるラ氏島機能について、インスリン分泌反応及びラ氏島に対する電顕的観察を併せ施行し、興味ある知見を得つつある。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Inoue,K.: "Total small bowel resection inhibited bombesin-stimulated release of cholecystokinin and pancreatic polypeptide in anesthetized cats" J.Surg.Res.47. 87-91 (1989)
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[Publications] Inoue,K.: "Gastrointestinal hormones and surgery" Asian Med.J.32. 138-147 (1989)
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[Publications] Kogire,M.: "Pancreatic secretion and the release of cholecystokinin after a meal in dogs with and without exclusion of pancreatic juice" Scand J Gastroenteol. 24. 507-512 (1989)
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[Publications] Takaori,K.: "Effect of synthetic physalaemin on splanchnic circulation in dogs" Life Science. 44. 667-672 (1989)
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[Publications] Hosotani,R.: "Effect of natural peptide YY on pancreatic secretion and cholecystokinin release in conscious dogs" Dig Dis 〓 Sci. 34. 468-473 (1989)
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[Publications] Ono,S.: "Application of the trimethylsilyl trifluromethanesulfonate deprotecting procedure for the synthesis of porcine peptide YY(PYY)" Int J Peptide Protein Res. 33. 29-38 (1989)
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[Publications] 井上一知: "消化器病セミナ-37,消化管ホルモンー最近の進歩" へるす出版株式会社, 11 (1989)
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[Publications] 井上一知: "消化管ホルモンVIII" 医学図書出版株式会社, 5 (1989)