1988 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌におけるKillerリンパ球に関与した免疫応答とその治療的意義
Project/Area Number |
61440083
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐藤 光信 徳島大学, 歯学部, 教授 (00028763)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹川 佳宏 徳島大学, 医療短期大学部, 教授 (40035754)
染川 哲雄 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (40136263)
吉田 秀夫 徳島大学, 歯学部, 助教授 (30116131)
|
Keywords | 口腔癌 / 免疫応答 / killerリンパ球 / NK細胞 / LAK細胞 / ADCC / 唾液腺癌細胞 / 癌細胞表現形質 |
Research Abstract |
1.口腔癌の初診時・治療各時期及び術後経過観察時において得た末梢Killerリンパ球の動態をBiberfeldらが開発した単一細胞測定法により解析した結果、患者の病態予後と末梢Killerリンパ球の動態とがよく一致していることを従来にも増して一層明確にした。すなわち、術後経過良好な症例では末梢Killerリンパ球絶対数が初診時と比較して有意に上昇するが、術後再発や遠隔転移をきたした症例では末梢Killerリンパ球数の上昇を認めなかった。このKillerリンパ球は絨毛様突起を持った小・中型リンパ球で、CD3^+4^-8^-の表現形質を保有していることを示唆する実験結果を得た。2.口腔癌の治療として、シスプラチナムを主体とした多剤併用化学療法を施行した際、末梢NK細胞活性とKillerリンパ球絶対数は癌化学療法前と比較して有意に低下するが、BRMの1つであるOKー432を従用した場合NK細胞活性及びKillerリンパ球絶対数の低下は防止出来ることを示唆する知見を得た。3.in vitroにおいて末梢単核球よりILー2を用いてLAK細胞を誘導する場合、IFNーα、βはLAK誘導を阻害するが、IFNーγはLAK誘導に影響を及ぼさないことを示唆する知見を得た。一方、IFNーα、βはNK、killerリンパ球を誘導した。4.ヒト唾液腺癌細胞(HSG)移植ヌードマウスを用いて抗体依存細胞媒介細胞傷害作用(ADCC)のシステムを確立した。すなわち、NK非感受性HSG細胞に対するIgG2aマウス単クローン抗体(5Bー10)とヒト末梢単核球をエフェクター細胞として用いてADCCによる抗腫瘍効果の検出されることを明らかにした。また、この場合5Bー10抗体とOKー432とを併用するADCC活性が増強し、担癌マウスの生存日数が延長することを明らかにした。なお、このエフェクター細胞はアシアロGM1陽性細胞であることを示唆する実験結果を得た。5.HSG細胞は筋上皮細胞、腺房細胞、角化扁平上皮細胞、軟骨細胞等の表現形質を持った細胞に分化することを示唆する実験結果を得た。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Mitsunobu,Sato: J.Biol.Response Mod.7. 212-228 (1988)
-
[Publications] Hideo,Yoshida: Cancer. 61. 1741-1748 (1988)
-
[Publications] Masayuki,Azuma: Cancer Research. 48. 2898-2903 (1988)
-
[Publications] Masayuki,Azuma: Cancer,Research. 48. 7219-7225 (1988)
-
[Publications] 梁川哲雄: 癌と化学療法. 15. 3159-3161 (1988)
-
[Publications] Ryoji,Kaji: J.Biol.Response Mod.(1988)
-
[Publications] Mitsunobu Sato Editor:Y.kawade: "Proceeding of the 1988 Annual Meeting of ISIR.Effect of interferon α,βorγon the prolifiration and differentiation of a neoplastic human salivary intercalated duct cell line." C/O Inter Group Corp., (1989)