1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61440095
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
宮脇 昭 横国大, 国立大学(その他), 教授 (40017710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 寧 埼玉大学, 経済短期大学部, 助教授 (90162388)
鈴木 邦雄 横浜国立大学, 経営学部, 助教授 (30018048)
遠山 三樹夫 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (70001435)
藤原 一繪 横浜国立大学, 環境科学研究センター, 助教授 (80018043)
奥田 重俊 横浜国立大学, 環境科学研究センター, 助教授 (00000141)
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Keywords | 日本植生誌 / 東北地方 / 夏緑広葉樹林域 / 植生図 / ブナクラス / 郷土林 / 環境保全林 / 植生 |
Research Abstract |
「日本植生誌」(全10巻のうち既刊は屋久島,九州,四国,中国,近幾,中部,関東の7巻。刊行予定は東北,北海道,沖縄,小笠原の3巻)は、1980年に第1巻の屋久島が刊行され、年1巻の刊行計画で今日に至っている。植生誌は現地植生調査を基礎に植生の種組成,構造,遷移,分布などの研究を通して植生生態学的特性を明らかにし、さらに現存および潜在の植生図化の成果を加えて、自然環境,植生,人間活動のかかわり合いを広い視野に立って各地域の立地的特性をふまえながら総合的な考察が行なわれている。昭和61年度は東北地方を対象に現地調査が行なわれた。現地植生調査資料は約1,200点が収集された。これらの資料を室内作業により224の植生単位が確認され、地球的視野に立って約30のクラスのもとにシステム化が行なわれた。また現存植生図(凡例52)と潜在自然植生図(同40)がそれぞれ50万分の1で着色印刷された。さらに東北6県の重要群落のリストが地図上に記録され、自然の保護と同時に郷土の森形成に対し提案がなされている。東北地方の植生は美しい自然と豊かな植物的資源に恵まれている。植生帯は夏緑広葉樹林域(ブナクラス域)がもっとも広い面積をしめている。夏緑広葉樹林はブナ、ミズナラを主とし、気候條件、とくに積雪量の差に対応した数多くの植物群落が分化している。また針葉樹林の優占する亜高山帯は八甲田。八幡平地域、早池峰、蔵王山、奥只見地区など局地的に存在している。高山植生の生育域は狭いが、早池峰の蛇紋岩上の固有の風衝草原、秋田駒ケ岳、鳥海山の崩壊地植生、月山・朝日・飯豊山などに雪田植生などそれぞれ特徴的な植物群落がみられる。関東地方以西に広く分布する常緑広葉樹林域は岩手、秋田両県の海岸部までに達し、北限となっている。植生学的なこれらの成果をもとに地域固有の郷土林、環境保全林形成についての具体的な提案が行なわれている。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Akira,Miyawaki: Bull.Inst.Envir.Sci.Techn.Yokohama Natn.Univ.11. 85-101 (1984)
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[Publications] Akira,Miyawaki: Vegetatio. 59. 225-234 (1985)
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[Publications] Akira,Miyawaki: Colloques phytosociologiques 【XIII】,V【e!´】g【e!´】tation et G【e!´】omorphologie. 13. 27-40 (1985)
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[Publications] Akira,Miyawaki: International Journal of Biometeorology. 197-209 (1985)
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[Publications] Akira,Miyawaki: Bull.Inst.Envir.Sci.Techn.Yokohama Natn.Univ.12. 105-124 (1985)
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[Publications] 藤原一繪: 横浜国大環境研紀要. 13. 99-149 (1986)
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[Publications] 宮脇昭 編著: "日本植生誌 東北" 至文堂, 605 (1987)
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[Publications] Akira,Miyawaki 編著: "Vegetation Ecology and Creation of New Environment" 東海大学出版会, (1987)