1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61450035
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森下 一期 名大, 教育学部, 助教授 (80182228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 優年 名古屋大学, 教育学部, 文部教官助手 (00144098)
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Keywords | 技能の発達 / 工作教育 / 技術教育 / 子どもの道具使用 / 手 |
Research Abstract |
1.児童のノコギリ使用においては、低学年ほど柄を持った手の前後運動が湾曲すること、その結果として例えば5cm幅の試験片の切断において、両端及び中点における切断面の角度が異なることが明らかとなった。また、従来、目の位置が重要であることは指摘されてはいても、切断面の角度と目の位置との関係が実証的に明らかにされていなかったが、160例のビデオ撮影を行って分析した結果、具体的にその関係を示す見通しを得た。 2.ナイフによる鉛筆削りにおいては、学年によって削ることの到達目標が大きく異なり、高学年になる程時間をかけて削ることが明らかとなった。時間、削った形状を測定することによって得た発達段階による技能程度の差と、子どもの技能程度に関する意識との関連は、単純に直線的に変化するのではなく、質的な飛躍を有するものであることが明らかとなった。工作技能におけるこの点の実証的な研究はこれまでなかった。 3.かなづちによる釘打は、低学年ほど個人差が大きいことが明らかとなった。それは腕力の違いというよりも、持つ位置、手首のスナップをきかすことができているか、といった使用法によることが大きいことも明らかとなった。 4.以上のような結果をふまえつつ、道具使用法の類型化を行うことが次の課題である。また、技能の観察調査と子どもの技能に対する意識との関係を数量的に解析することも残されている。 5.1〜3は試行的に特定の学校、園で行ったものであるので、次年度は他地域においても調査分析し、地域、生活歴の違いによる差についても検討していくことが課題である。
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