1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61450076
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
巽 信晴 阪市大, 公・私立大学の付置, 教授 (50046794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 博男 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (60046969)
福田 義孝 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (30047261)
増田 祐司 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (60173754)
西田 稔 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (70047207)
中野 安 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (30047120)
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Keywords | 先端技術 / ソフトウェア / 国際産業体制 / 産業空洞化 / 知的所有権 / サービス化(経済) / 情報ネットワーク / 新素材 |
Research Abstract |
研究会には関西大学、桃山学院大学、滋賀大学、京都大学、近畿大学、神戸学院大学、野村総合研究所などから参加者を得て研究交流を推進することができた。各々の研究分担者は企業でのヒヤリング調査や施設見学を行ないデータの収集に努めた。また、収集した図書・資料は外部からの検索も可能な形でデータベース化する予定であり、大阪市大経済研究所として必要な予算措置の準備を進めている。(63年度中の実施をめざしいる。)。 本年度研究の主要な知見はつぎの通りである。(1)先端技術分野の産業発展を研究するうえでは、ソフトウェアとハードウェアの両面を関連させて把握するという視点が大切である。(2)急激な円高に伴い「産業空洞化」の問題の本格的な経済学的分析が必要となっており、わが国の場合には技術発展の基盤と雇用の再開発がポイントになるであろう。(3)日本の技術発展の可能性および国際的産業体制の展開を考えるうえで、「知的所有権問題」およびそれと結びついた「サービス化」の研究が重要である。(4)知的所有権の全般的な「制度」の研究ならびに権利の獲得、それによる支配および権利の流通という3つの側面の総合的研究、そしてケーススタディが必要である。(5)代表的な2つの先端的新素材の比較研究により、特許・ノウハウの経済的効果が技術の性質や環境条件によって異ることが明らかとなった。(6)流通情報ネットワークの研究では、その排他性と開放性の関係、定量的情報の高次利用(戦略的市場創造)の可能性と限界が明らかになった。(7)中小企業分野では大企業との関係における受発注管理を超えて独自の情報管理システムの発展が必要であることが解明された。(8)労働・雇用の分野では、日本企業の対外進出にともなって技術者管理の重要性とその困難の解明が進められている。 研究の最終成果は62年度末に大阪市大経済研究所の『所報』として取纒め東大出版会を通じて公刊する。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 巽信晴: 季刊経済研究(大阪市立大学経済研究会刊). 8(3). 15-31 (1986)
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[Publications] 巽信晴: 季刊経済研究. 9(4). 3-24 (1987)
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[Publications] 西田稔: 季刊経済研究. 10(2). (1987)
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[Publications] 増田祐司: 季刊経済研究. 9(1). 59-74 (1986)
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[Publications] 増田祐司: 全逓調査時報. 第17号. (1986)
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[Publications] 木村敏男: 大阪経大論集. 第174号. 99-131 (1986)
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[Publications] 西田稔: "日本の技術進歩と産業組織" 名古屋大学出版会, 270 (1987)
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[Publications] 増田祐司共著: "情報経済論" 有斐閣, (1987)