1986 Fiscal Year Annual Research Report
わが国の農業地域における非農業化現象に関する動態的研究
Project/Area Number |
61450090
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山本 正三 筑大, 地球科学系, 教授 (10015513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 幸久 立正大学, 文学部地理学教室, 助教授 (30036066)
手塚 章 筑波大学, 地球科学系, 講師 (60155455)
田林 明 筑波大学, 地球科学系, 講師 (70092525)
石井 英也 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (60091881)
奥野 隆史 筑波大学, 地球科学系, 教授 (10092511)
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Keywords | 村空間における非農業的要素の増大 / 工業化 / モータリゼーション / 農業集約化の逆説的効果 |
Research Abstract |
研究分担者はそれぞれ、分担テーマについてフィールドワークを行ない、山本は東北地方から九州にいたる各地方の農業関係諸機関において、兼業化の進展状況を調査し、田林による北海道調査とあわせて、農村空間区分図にまとめ、すでに公表した日本農村空間区分図と対照した。その結果兼業化が最近10年間にさらに進行し、日本の農村における非農業的要素の密度は高まり純農業空間は北海道と首都外縁部,高冷火山山麓にみられるだけになってきたことが判明した。 奥野は松本盆地、山形盆地において交通インフラストラクチュアの改善が農村地域に与える影響を調査した。両盆地について43の社会・経済的属性変数に対して因子分析およびクラスター分析を行った結果、モータリゼーションが都市化、工業化とともに3大要因となって、農村地域の変化をもたらしていることがあきらかになった。 石井は茨城県、栃木県、福島県南部において、主として平地林の存在様式を調査し、土地利用、農業様式、非農業的生産活動、および利用等との関連を考察した。雑木林と針葉樹林の分布上の特質が、これらの要因と深いつながりがあること、その将来展望にとくに注目して調査を行なってきた。 田林は北陸地方において、請負耕作(稲作)がもつ都市化・工業化に対する牲質を検討し、稲と組合わされる作目にそれが反映することを思出した。 手塚は山本とともに、関東地方の旧市町村別農業データを収集し、1960年代以後の農家の分化、不耕地、非農家世帯の変化を地図化し、整理してきた。その結果近年変化のはげしい関東中央部について実地調査する予定になった。 内山は長野盆地において、果樹栽培の進展が農村空間に非農業的要素の増大をもたらすという逆説的事実の解明につとめてきた。
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