1987 Fiscal Year Annual Research Report
窒素レーザー光による宇宙線観測用閃光検出器群の一斉較正システムの開発
Project/Area Number |
61460023
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
坂田 通徳 甲南大学, 理学部, 助教授 (60068111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 嘉昭 甲南大学, 理学部, 教授 (70068112)
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Keywords | 超高エネルギー一次宇宙線 / 高エネルギーガンマ線天体 / 宇宙線空気シャワー / 高エネルギー宇宙物理 / 技術開発 |
Research Abstract |
7月までに光学系及びコンピュータを用いた制御系が共に完成した. さらに光量調節用のNDフィルター(17枚)の337nm光に対する減光率を測定し実用段階に入った. テスト用の空気シャワー検出器群はファストタイミング(FT)機能付きの16台と, 粒子密度検出機能のみの8台からなり, 宇宙線研究所(乗鞍岳)の野外に約15m間隔で配置してある. 光分配器から出たシンチレーション光は光ファイバー(120m,コア径200μm)を通して検出器の付近まで運びさらに4本の20m,コア径100μmの光ファイバーによって各検出器内に導入された. 各検出器からの信号はCAMACシステムによって処理されている. 実験は11月中旬から検出が雪中に埋る12月に行われた. まず, 検出器からADCに至る粒子数密度検出器系のレスポンスの比例性のデータを測定することができた. その精度は粒子密度1〜10^3/0, 25m^2の範囲にわたって±3%である. 次にファーストタイミングについては, 各検出器からTDCに至る系が全体としてもつ時間的同時条件からのずれ(時間オフセット値)を±125ピコ秒の精度で測定することができた. これらの測定はコンピュータ制御により自動的に予め設定した時刻毎に行われている. 1回の較正に要する時間は約3分である. 前述した約20日間の測定では検出器ーADC系の時間的変動は24チャンネル中1つを除き±5%以下, 検出器ーTDCの時間オフセット値の変動は±200ピコ秒以下に止っていることを明かにすることができた. このように当初目標である「全系〓時一斉較正」が可能になったことは高い角度分解能と安定性のもとで超高エネルギーガンマ線探査を行うのに重要な貢献となった. 本システムはすでにJANZOSグループによる超新星1987Aからのガンマ線観測に実装された. 本システムの装備は今後世界的常識となっていくものと考えられる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.NISHIZAWA;M.OHNISHI;T.SAITO;M.SAKATA;M.SHIMA;Y.YAMAMOTO: Nuclear Instruments and Methods in physics Research A.
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[Publications] K.HIBINO;M.SAKATA;T.SAITO;M.SHIMA;Y.YAMAMOTO: Nuclear Instruments and Methods in physics Research A.