1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61460159
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
池田 尚治 横国大, 工学部, 教授 (60087228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 隆裕 横浜国立大学, 工学部, 助手 (10143736)
椿 龍哉 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (40134902)
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Keywords | 耐震設計 / 準動的載荷 / 鉄筋コンクリート / 弾塑性応答 / 数値解析モデル |
Research Abstract |
耐震設計を行なうに際しては、地震時の安全性のほかに、地震被災後の構造物の供用性能の確保を基本とした耐震設計方法を確立することが重要である。本研究はこのような観点に立って地震時の弾塑性挙動と地震後の構造物の性能とを結びつけることにより、動的応答の増幅の問題を解決し、合理的な新しい耐震設計方法を確立しようとするものである。このような新しい耐震設計方法の骨子は、本研究代表者の提案によって昭和61年に改訂された土木学会のコンクリート標準示方書の中に採用されており、ここではこの考え方の妥当性と有効性の確認と、一層の発展を図ろうとするものである。 鉄筋コンクリート構造物と地震時における弾塑性挙動の把握を行なうには準動的載荷による応答実験を行なうことが最も適当であると思われる。そこで、先ず、小型の油圧源を利用し、アクチュエイターをパーソナルコンピューターで制御することにより実際の地震波のインプットによるオンライン実験のシステムを確立した。次に、このシステムを用いて、鉄筋コンクリート柱および鉄筋コンクリートラーメンの地震時の弾塑性挙動を再現することができた。また、軸圧縮力の変動も加えた実験を行なって有用な情報を得た。 これらの実験結果は、動的解析のプログラムを作成して数値解析と対比し数値解析モデルを検証することができた。中でも軸力が変動する場合のモデル化は今までにないものである。 本研究における実験の結果、降状変位δy以内の応答であれば部材は極めて健全であり、2δyの変位でも軽微な損傷で済むことも確認できた。4δy程度の変位応答を受けてもその繰返し回数が少なければ部材の劣化もそれ程大きくないことも把握できた。 せん断破壊や鉄筋の引張部定着の再現についても準動的載荷による挙動把握を次年度に行なう予定である。
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