1986 Fiscal Year Annual Research Report
溶接継手の疲れ強さ改善のための最適パレス溶接条件の決定
Project/Area Number |
61460207
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
篠田 剛 名大, 工学部, 講師 (10023269)
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Keywords | パルス溶接 / TIG溶接 / 疲れ強さ改善 / 再溶融 / 表面張力論 |
Research Abstract |
本年度はまず従来から広く用いられている非パルス型の溶接継手の形状と溶接条件の影響を明らかにする実験を行なった。この結果、溶接部形状は、ある一定の溶融金属量が表面張力論的なとりあつかいによって、決定できることが明らかとなった。したがって、溶接入熱を与えれば、溶接金属の体積が決定でき、このことから溶接金属の形状も数値的に与えることができるようになった。この非パルスの条件の最適化もほぼ可能となった。 パルス溶接については、現在ワイヤ送給量とパルス条件量から溶接金属量の関係を求める実験を実施中である。この実験は次年度以後も継続し、定式化する予定である。非パルスおよびパルス溶接時のアーク現象の解析には、デジタルストレージオッシロ(日立VC-6041Z)を多用しており、またこの波形出力には記録計(日本電子科学,U6314P)を有効に使用している。さらに、パルス溶接のアーク現象の解析および溶接金属の形状の測定には、画像処理装置(PIAS【II】)を利用している。本装置は次年度以後集中的に使用する予定である。 さらに、溶接継手疲れ強さ改善については、従来から広く行なわれている溶接部の再溶融TIG処理があるが、これについてもパルス化できないかについて検討を加えている。すなわち、これらの再溶融は事後の角変形が大きくなるので、溶接電流を低くしたい。しかしながら、従来法ではアークは不安定になり十分な効果が期待できないが、パルス化することにより平均電流は低下させることができ、さらにパルス電流によりアークの安定化をいちぢるしく高くできる。この効果を用いて疲れ強さを改善できることは予測できるのでこの点についても実験的に検討を加えている。
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