1988 Fiscal Year Annual Research Report
液膜輸送系と関連させた遠心液々分配クロマトグラフィーの新分離機構
Project/Area Number |
61470026
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
荒木 長男 島根大学, 理学部, 教授 (70028124)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 恭男 島根大学, 理学部, 助教授 (40127486)
|
Keywords | 遠心液々分配クロマトグラフィー / 遠心向流分配抽出法 / 希土類金属イオンの分離精製法 / Di-(2-ethylhexyl)-リン酸 / 分離助剤 / 希土類金属イオンの液膜輸送 / 光学分割での問題点 |
Research Abstract |
(目的)分離助剤添加型遠心液々分配クロマトグラフィー(CPC)と液膜輸送系との相関性につき研究を行い、新しい分離・精製・濃縮の技術としての発展に繋がる原理を解明することを目的としている。(研究経過)設備は一昨年度に購入した三鬼エンヂニアリング製CPC-L.L.(Model-NMF)を用いている。62年度から開始した希土類金属イオンの分離精製並びに選択的液膜輸送によるセンシングに重点を置いた研究を行い、以下の研究成果を上げることができた。(研究成果)1.Di-(2-ethyl-hexyl)-リン酸(D2EHPA)を分離助剤とし、移動相に塩酸水溶液を用いた系を用いて、重希土類全属イオンのCPCにおける挙動を検討した。重希土類の場合、原子番号が大になるにつれて、ピークの拡がりがさらに著しくなったが、固定相溶媒の極性の高いものを選らべば、ピークの拡がりを解決できることが分った。2.軽希土類について得られた知見、即ち、CPCにおける保持値が移動相中の塩酸濃度に強く影響されることは、重希土類の場合にもそのまま当てはまることを見出した。即ち、重希土類も軽希土類と基本的には同様に考えて取り扱えることが分った。3.以上の知見をもとにして、Dy,Ho,Er,Ybの分離する条件を検討した。これらの重希土類の場合には、軽希土類の場合のような完全分離ではないが、純品回収率を約40%に抑え、不完全分離部分のリサイクルにより純品を効率よく得られることが分った。4.CPCと同一の二相構成の液膜輸送の研究を行い、重希土類も選択的液膜輸送ができることが分った。即ち、CPCと液膜輸送系とはこの系でよく対応している。5.CPCを光学分割に応用するために必要な基本条件の選定について検討を加え、各機構の問題点と考慮すべき点を整理できた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] T.Araki: Journal of Liquid Chromatography. 11. 267-281 (1988)
-
[Publications] T.Araki: Progress and Application of Centrifugal Partition Chromatography. 2. 67-75 (1988)
-
[Publications] T.Araki: Journal of Liquid Chromatography. 11. 2473-2485 (1988)
-
[Publications] T.Araki: Journal of Liquid Chromatography. 11. 2487-2506 (1988)
-
[Publications] T.Araki: "Liquid Membranes:Chemical Applications Chapter 1.lntroduction" CRC Press, (1989)
-
[Publications] T.Araki: "Liquid Membranes:Chemical Applications Chapter7-5.Centrifugal Countercurrent Type Chromatography as Multistaga Liquid Membrane Transport Systems" CRC Press, (1989)