1986 Fiscal Year Annual Research Report
分子のつくる四面体頂点に窒素を有し分子内空洞をもつ多環式大環状化合物の合成と物性
Project/Area Number |
61470027
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
稲津 孝彦 九大, 理学部, 教授 (60037207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武村 裕之 九州大学, 教養部, 教務員 (60183456)
金富 元 九州大学, 教養部, 教授 (70038462)
新名主 輝男 九州大学, 理学部, 助手 (90037292)
宮原 雄治 九州大学, 理学部, 助手 (40037263)
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Keywords | 多環式ポリアミン / 包接化合物 / イオン選択性 |
Research Abstract |
脂肪族アミンの窒素原子、あるいはピリジン等の芳香環に含まれる窒素原子を多環式系の中に組み込むことにより、それら窒素原子の孤立電子対を、希望する一定の方向に向けさせ、それら化合物にプロトンアクセプター、有機金属錯体配位子、あるいは包接化合物のホストとしての機能を持たせたものを合成し、それらの性質を調べた。 目的化合物はそれぞれの化合物に適した方向により合成した。それぞれについては、元素分析をはじめ質量分析,赤外,核磁気共鳴吸収等によって構造を確かめた。得られた化合物のいくつかについては、分配法により、主としてアルカリ金属イオンに対する包接性および選択性について調べた。 2,6-ビスハロメチルピリジンと1,3-ビスハロアミノメチルベンゼン,あるいは2,6-ビスアミノメチルピリジンとの反応によって、一挙に目的とするウロトロピン様構造のカゴ型化合物を得ることができた。 ウロトロピン様構造を有するピリジン環4個あるいは6個を含むカゴ型化合物では、リチウムからセシウムまで種々のアルカリ金属イオンが分子内空洞中に入ることが確かめられた。またカチオンだけでなく塩素陰イオンも空孔中に入っていることが示唆された。銅(【II】)イオンとの錯体のESRが測定され、銅イオンが確かに分子内空孔中に入っていることが証明された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Teruo Shinmyozu: J.Org.Chem.,. 50. 1959-1963 (1985)
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[Publications] Teruo Shinmyozu: Mem.Fac.Sci.,Kyushu Univ.,Ser.C,. 15. 79-90 (1985)
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[Publications] Masafumi Fukae: J.Incl.Phen.,. 2. 223-229 (1985)
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[Publications] Teruo Shinmyozu: J.Org.Chem.,. 51. 1551-1555 (1986)