1987 Fiscal Year Annual Research Report
第4B族金属有機化合物を用いる反応活性種の生成と有機合成に関する研究
Project/Area Number |
61470028
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
細見 彰 長崎大学, 薬学部, 教授 (00004440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富永 義則 長崎大学, 薬学部, 助手 (70100881)
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Keywords | 合成等価体 / 第4B族金属有機化合物 / 反応活性種の生成 / 有機合成 |
Research Abstract |
有機ケイ素化合物を他の方法によっては得難い種々の反応活性中間体の合成等価体としてみなせる反応剤としてデザインし,その合成法を見出すとともに, これら反応剤を用いて第4B族金属有機化合物の反応として興味のあるl,nー脱離反応が関与した有用な新しい環化付加反応を明らかにし,合成化学的に重要な環状化合物を得る方法を確立することを目的として,本年度は以下の結果を得た. 1, 3ーアルキル置換イソプレニルシラン誘導体の合成 2ージメチルアミノメチルー3ートリメチルシリルメチルー1,3ーブタジエンから誘導できるアンモニウム塩に対して銅塩触媒存在下,アルキルグリニヤール試薬を作用させると高収率で対応用する3ーアルキル置換イソプレニルシランを与えることを見出した. 2.上記反応の原料となる1,3ージエンは2,2′ービアリルジラジカルシントンとして仂き, 〔6.6〕および〔6.7〕員環化合物を収率よく与える. とくに置換1,2ージメチレンシクロヘキサンの効率的な合成法を提供するなど, 本試薬は合成化学的に重要な反応剤となる. 3.さらに, 本反応剤は分子内にアリルシラン骨格を含むと同時にアリルアミン〓を求電子部分として作用させることが可能であるため, 2,2′ービアリル両性イオン等価体としても働く興味ある反応剤となることが見出された. 本反応を利用することにより, 新しい型の環状化合物を合成することが可能となる. このように本反応剤は段階的な環化付加反応の繰返しにより, 縮合多環状化合物の短段階合成法として極めて優れた反応剤であることが見出された. アントラサイクリノン系抗生物質の合成にも応用できる.
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[Publications] A.Hosomi: J.Organic Chemistry. 52. 2947-2948 (1987)
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[Publications] A.Hosomi: Tetrahedron Letters. 27. 2881-2884 (1986)
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[Publications] A.Hosomi: J.Chem.,Soc.,Chem.Commun. 8. 570-571 (1987)
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[Publications] A.Hosomi: Chem.Pharm.Bull.35. 3078-3061 (1987)
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[Publications] A.Hosomi: J.Chem.Soc.,Chem.Commun.19. 1442-1443 (1987)