1987 Fiscal Year Annual Research Report
リチウムイオン高選択性分離・分析用有機試薬の開発に関する研究
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61470065
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
庄野 利之 大阪大学, 工学部, 教授 (30083976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 恵一 大阪大学, 工学部, 講師 (50107140)
田中 稔 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029238)
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Keywords | リチウムイオン / 抽出比色試薬 / ニュートラルキヤリア / イオン選択性電極 / 14ークラウンー4 / フローインジェクション分析 / 血清中リチウムの定量 / 抽出蛍光試薬 |
Research Abstract |
1.前年度より研究を続けているドデシルメチルー14ークラウンー4をニュートラルキヤリアとして用いたLi^+膜電極のNa^+に対する選択性がニュートラルキヤリアとしてジベンジルー14ークラウンー4を用いることによって改善され,K^<PoF>_<LiNa>は1.3×10^<-3>となった. この膜電極の支持体はポリ(塩化ビニル)であり,可塑剤としてOーニトロフェニルーフェニルエーテル,トリス(2ーエチルヘキシル)ホスフェート(98:2)の混分物を用いた場合,最もすぐれた結果が得られた. 2.発色団としてニトロフェノール或はアゾフェノールを有する18種類の14ークラウンー4誘導体を合成し,その抽出平衡定数におけるLi^+/Na^+を求めたところ, 45〜240の値が得られた. 18種類の化合物中,6ードデシルー6ー(2ーヒドロキシー3,5ージニトロベンジル)ー14ークラウンー4は最もpKa値が小さく(4.92)Li^+の抽出比色定量試薬として優れていた. 3.2で述べた試薬をフローインジェクション分析に応用し,0〜2mMのLi^+を含む人工血清中のLi^+の定量分析を試みた. 有機相としてクロロホルム,水相としてpH9.5に設定したK.ナ_<2.ニ>B.ナ_<4.ニ>O.ナ_<7.ニ>ーKOH緩衡液を用い,検出波長は410nmとした. その結果すぐれた精度で血清中のLi^+が定量しうることを認めた. 4.以上に得られた知見をもとに,63年度は研究結果の見直しと総括を行うが,蛍光性基を有する14ークラウンー4ー誘導体を合成し,抽出・蛍光試薬としての性能も検討する予定である.
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[Publications] K.Kimura: Bull.Chem.Soc.Jpn.,. 60. 3068-3070 (1987)
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[Publications] H.Sakamoto.: Anal.Chem.,. 59. 1513-1517 (1987)
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[Publications] K.Kimura: Anal.Chem.,. 59. 2331-2334 (1987)
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[Publications] T.Shono: Proceedings of The Second Japan-Korea Joint Symposium. 2. 125-132 (1987)