1986 Fiscal Year Annual Research Report
高濃度イオン注入によるセラミックス系機能膜の創出と構造
Project/Area Number |
61470067
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
岡本 祥一 長岡技科大, 工学部, 教授 (60087418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 健吉郎 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (20153603)
植松 敬三 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00110726)
高田 雅介 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20107551)
松下 和正 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80024610)
山下 努 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30006259)
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Keywords | イオン注入 / チッ素イオン / 鉄チッ化物 / 【Fe_(16)】【N_2】 / ZnO / P型制御 |
Research Abstract |
鉄薄膜に高電流密度でチッ素注入を行なったところ、【Fe_3】N,【Fe_4】Nといった鉄チッ化物が室温で合成された。一方、低電流密度で同様なチッ素注入を行なった結果、準安定相【Fe_(16)】【N_2】が合成された。生成物の確認はX線回析,メスバウアスペクトル,磁気的測定により行なった。イオン注入法で合成された【Fe_(16)】【N_2】の磁気的測定から、【Fe_(16)】【N_(29)】飽和磁化はα-Feよりも大きく優れた磁気記録媒体の可能性がでてきた。 一方、スパッタ法により作成したZnO薄膜に5×【10^(16)】【cm^(-2)】のドーズ量でチッ素注入を行なった。注入された試料はオレンジ色を呈し深に準位が形成されたことを示唆した。実際、吸光光度法により400〜500nmに巾広い吸収が出現することが確認された。高抵抗ZnO薄膜にN注入を行なっても電気伝導には変化が無かったが、還元処理した抵抗の低いZnOにN注入を行なうと、著しい電気伝導の低下が観測された。しかしながら、熱起電力測定を行なったところ、いづれの試料もn型を示し、当初の目的であるP型のZnO作製は実現できなかった。 この原因を詳細に検討するため気相法で作製した単結晶ZnOに5×【10^(16)】【cm^(-2)】のドーズ量でチッ素注入を行なった。Zn【O_9】バンドギャップ中に発生した深い準位に関する情報を得るためフォトルミネッセンスの測定を行なった。注入前のZnOは550nm付近にZn空孔又は不純物のCuに起因するグリーンの発光を示す。又、近紫外線領域には自由励起子による発光も認められる。チッ素注入を行なうと全体の発光強度は減少し、特にグリーンの発光の減少が著しい。アニールを行なうと近紫外領域に新しい発光が現われる。これは深いアクセプター準位とドナーとの間で生じたD-A発光と思われる。この事から注入されたチッ素は浅いアクセプター準位を形成していると推定される。(同時に発生したドナは現在容量法により検討中)。
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[Publications] 中島健介: J.Ame.Ceramic.Soc.
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[Publications] 小林健吉郎: chem.Lett.1507-1510 (1986)
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[Publications] 小林健吉郎: J.Appl.phys.60. 4191-4199 (1986)
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[Publications] 小林健吉郎: J.Electroanal.Chem.