1986 Fiscal Year Annual Research Report
表面に不飽和窒素官能基を有する炭素体と金属の複合材の調製と機能
Project/Area Number |
61470082
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
持田 勲 九大, 生産科学研究所, 教授 (20037758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂西 欣也 九州大学, 生産科学研究所, 教務員 (60183365)
光来 要三 九州大学, 生産科学研究所, 助手 (50122693)
藤津 博 九州大学, 生産科学研究所, 助教授 (00038605)
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Keywords | 不飽和窒素官能基 / 炭素体 / 複合材 / 触媒機能 |
Research Abstract |
1.本研究は、不飽和窒素官能基を表面に多数有する炭素体を調製し、金属および金属錯体を高分散担持させると同時に、窒素-金属間の化学的相互作用を利用して、新しい型の触媒、吸着剤、電極、電導材への応用を計画している。このような炭素体の調製の化学反応機構および窒素-金属結合の化学的相互作用ならびに機能発現の機構の解明も併せて目的としている。 2.本年度は、不飽和窒素官能基を高濃度に含有する炭素体として、ポリアクリロニトリルの脱水素縮環反応により調製した高表面積繊維状炭素体(PAN-ACF)についてNOのN【H_3】による還元触媒機能を中心に検討を行なった。窒素含有量が2〜14%の5種のPAN-ACFは、140℃でのNO-N【H_3】反応に対して、高窒素含有率程高い活性を示した。これらの場合、表面含窒素官能基はNO活性化に寄与することが示唆された。活性向上を図るため酸化鉄一酸化銅の2元酸化物の担持効果について調べた結果、窒素含有率が低いACFのNO還元活性は向上し、酸化物担持効果が認められたのに対して、同含有率が増加すると担持の効果はわずかしか認められなくなった。含窒素官能基と酸化物との相互作用については検討中である。PAN-ACF以外の含窒素化合物からの炭素体調製についても条件設定をほぼ終了している。 高窒素含有率PAN-ACFにコバルトテトラフエニルポルフィリン(COTPP)を担持した複合材の触媒機能の検討に着手した。本系では、COTPPのNO活性化能の含窒素官能基との相互作用による向上と、ACFによるN【H_3】活性化との結合により低温での高活性を期待したが、現時点では充分な活性は得られていない。COTPPの担持率の調整も含め引き続き検討する計画である。 尚、備品に申請した液体クロマト用ポンプならびにインテグレータは購入、設置を終わり、有効に使用している。
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Research Products
(1 results)