1986 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属触媒を用いる高度に立体制御された有用複素環化合物の新規合成法の開発
Project/Area Number |
61470094
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田丸 良直 京大, 工学部, 助教授 (80026319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 善一 京都大学, 工学部, 教授 (60025814)
三木 定雄 京都大学, 工学部, 助手 (30135537)
杉本 豊成 京都大学, 工学部, 助手 (30093256)
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Keywords | パラジウム2価の酸化能 / 触媒 / 複素環 |
Research Abstract |
遷移金属を触媒として用いる場合、その有用性は遷移金属が反応の経過とともに、その酸化状態を自在に変えうることであり、この特性を利用して多くの合成法が開発され、また工業プロセスとしても稼動している。しかし、これらの反応はいずれも脂肪族化合物の合成に関するものである。現在実用に供されている医薬,農薬は、ほとんどが分子内に酸素,窒素,イオウ等のヘテロ原子を含む複素環化合物であるが、遷移金属を触媒として用いる複素環合成は未開拓の分野である。 以上の観点より遷移金属を触媒として用いる有用複素環化合物の新規合成法の開発を行ない、以下の結果を得た。 イ.4-プロパルギルチオピリミジン-2(1H)-オンがパラジウム2価塩を触媒量作用させることにより、閉環し、3-Xチレン-2,3-ジヒドロ-5H-チアゾロ〔3,2-C〕ピリミジン-5-オンに誘導された。この反応は、パラジウムの触媒作用により、三重結合への窒素の分子内求核付加により進行し、二環性複素環を与える、反応型式として興味あるばかりでなく、生成物も高い除草活性を示す点で有用である。 2.不飽和アミン,不飽和アルコールがパラジウム2価を触媒として用いることにより、それぞれ含窒素5員環,6員環複素環化合物,および含酸素5員環,6員環,7員環複素環化合物へと高収率,高選択的に誘導されることを見出した。この反応はパラジウムの酸化能を利用する極めて稀な型式の反応であるばかりでなく、その位置および立体選択性において他にみられない特異性をも示した。 3.3-ヒドロキシ-4-ペンテニルアルコールがパラジウムを触媒として、一酸化炭素雰囲気下でシス-3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトン-4-酢酸ラクトンに誘導されることを見出した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yoshinao Tamaru: Tetrahedron. 42. 305-314 (1986)
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[Publications] Yoshinao Tamaru: Angewandte Chemie Int.Ed.Engl.25. 735-737 (1986)
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[Publications] Yoshinao Tamaru: The Journal of Organic Chemistry. 51. 4089-4090 (1986)
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[Publications] Yoshinao Tamaru: Tetrahedron Letters. 28. 325-328 (1987)
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[Publications] Yoshinao Tamaru: J.Organometal.Chem.