1988 Fiscal Year Annual Research Report
エレクトロニクス用機能性色素材料の開発に関する研究
Project/Area Number |
61470096
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Research Institution | University of Osaka Prefecture |
Principal Investigator |
松岡 賢 大阪府立大学, 工学部・応用化学科, 助教授 (30081326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬恒 潤一郎 大阪府立大学, 工学部・応用化学科, 助手 (10117997)
中澄 博行 大阪府立大学, 工学部・応用化学科, 助手 (00109878)
北尾 悌次郎 大阪府立大学, 工学部・応用化学科, 教授 (10081324)
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Keywords | エレクトロニクス用機能性色素 / 機能性色素材料 / 有機非線形光学材料 / 分子設計 / 有機導電性化合物 / 分子間CT錯体 / 近赤外吸収色素 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は研究発表(論文11報、総説4報、著書6件、口頭発表25件)によって公表、もしくは公表予定である。以下にその概要を示す。エレクトロニクス用機能性色素の分子設計と材料開発のための方法論を確立した。すなわち、色素の物性と化学構造の相関性を確立するための色素データベースを構築した。このデータベースには6000種の色素についての吸収スペクトルと各種物性値がまとめられており、パソコンによって必要なデータの検索ができるようになっている。このデータベースと分子軌道計算法を組み合わせることによって色素の分子設計が可能となる。光記録材料用近赤外吸収色素の合成に関連してクロコニウム系色素の合成と物性について検討を行った。カルバゾール-ナフトキノン系分子間化合物の吸収スペクトルをMO法を用いて解析し、スペクトルと構造の関係を定量化した。そして、近赤外吸収CT型色素を合成した。また、分子内CT型発色系をもつテトラアミノアントラキノンが分子間CT錯体の新規なドナーになることを見出した。TCNQとの錯体は高い導電性を示すことを見出した。MO法による分子設計によって、有機非線形光学材料を開発していくための方法論を確立した。分子内CT型発色系をもつ各種の複素環化合物を新規に合成デザインし、その第二高調波発生(SHG)特性について検討した。その結果、シアノビニル系複素芳香族化合物やニトロ置換5員環芳香族オキシムにすぐれたSHG活性を見出した。ゲスト-ホスト液晶用二色系色素として、分子内CT型発色系をもつ深色性ポリアゾ色素をデザインした。その結果、共役鎖へのアネレーション系色素では、B位へのアリール基の導入が二色性に有効なことを見出した。本課題での成果を、オプトエレクトロニクス用機能性色素の化学と題して総説(英文)にまとめ発表した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Masaru MATSUOKA: Chemistry Letters. 1988. 905-908 (1988)
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[Publications] Masaru MATSUOKA: Dyes and Pigments. 9. 343-350 (1988)
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[Publications] Liyuan HAN: Dyes and Pigments. 9. 419-426 (1988)
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[Publications] Shigeo YASUI: Journal of Society of Dyers and Colourists. 104. 284-288 (1988)
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[Publications] Masaru MATSUOKA: Chemistry Express. 3. 491-494 (1988)
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[Publications] Shigeo YASUI: Dyes and Pigments. 10. 13-22 (1988)
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[Publications] Makoto OKAWARA/Teijiro KITAO/Tsuneaki HIRASHIMA/Masaru MATSUOKA: "Organic Colorants,A Handbook of Data of Selected Dyes for Electro-optical Applications" Kodansha-Elsevier, 487 (1988)
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[Publications] 時田澄男、松岡賢、古後義也、木原寛: "機能性色素の分子設計、PPP分子軌道法とその活用" 丸善, (1989)