1987 Fiscal Year Annual Research Report
重合反応における分子量分布制御のための計算機援用制御システムの開発
Project/Area Number |
61470116
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高松 武一郎 京都大学, 工学部, 教授 (00025785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大嶋 正裕 京都大学, 工学部, 助手 (60185254)
橋本 伊織 京都大学, 工学部, 助教授 (40026076)
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Keywords | 分子量分布制御 / 活性不純物 / 重合反応 / パラメータ同定 |
Research Abstract |
本年度の研究実績として,次の2点が挙げられる. 1.分子量分布のオンライン推定 重合反応系一般に存在する不確定要素として, モノマー原料中に含まれる活性不純物があることがわかった. この活性不純物の存在下で製品重合物の分子量分布を制御するためには, まず不純物の影響で反応当初予想されていたものから変化していると考えられる分子量分布を, オンライン的に推定しなければならない. そこで, モノマー転化率のオンラインデータ値から活性不純物に起因した不確定なシステムパラメータを同定し, その同定値から反応途中の各時刻における製品重合物の分子量分布を推定する機構を開発した. これにより, 重合反応系においてしばしば問題となる原料モノマー中の活性不純物の混入に対し, その影響を補償し設定通りの分子量分布を重合物に持たせることが可能になった. 2.分子量分布のオンライン制御システムの開発 1.で述べた分子量分布のオンライン推定機構により得られる情報を用いて, 分子量分布制御を達成するための操作入力の合成を行なう制御システムを開発した. このシステムは, 推定された分子量分布の値を新たな初期値として, 反応終了時に分子量分布を希望値まで持っていくための反応操作条件を, 簡単な連立代数方程式から求めてくるものである. これより決まってくる反応条件を実現するように実際の反応操作を行なっていけば, 反応終了時には希望する分子量分布を持った製品重合物が得られることが, 実験的にも確かめられた.
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[Publications] T.Takamatsu: I & EC Research.
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[Publications] 高松武一郎: 第31回システムと制御研究発表講演会予稿集. 205-206 (1987)
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[Publications] T.Takamatsu: Proceeding of IFAC 10th World Congress. 2. 244-249 (1987)
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[Publications] 高松武一郎: 化学工学協会第53年会予稿集.