1986 Fiscal Year Annual Research Report
食品成分による神経ホルモン作動性エネルギー産生機構の栄養生化学的解析
Project/Area Number |
61470127
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩井 和夫 京大, 農学部, 教授 (60027175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河田 照雄 京大, 農, 助手 (10177701)
樋口 雅子 京大, 農, 教務職員 (40110762)
伏木 亨 京大, 農, 助手 (20135544)
小橋 昌裕 京大, 農, 助教授 (00027195)
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Keywords | 食品成分 / 生体エネルギー / 神経 / ホルモン / カテコールアミン / 香辛料 / 栄養素 / 非栄養素 |
Research Abstract |
従来、非常に分析が困難であった血中カテコールアミン(エピネフリン及びノルエピネフリン)の微量分別定量法を、61年度設備備品費で購入したHPLC-電気化学的検出器を用いることによって、10〜20μlという少量の血漿で本研究推行に十分な感度と精度とを示す優良な分析法を確立することができた。同時に、本方法を用いることによって血漿のみならず尿や組織中の微量のカテコールアミンの分析も可能となった。さらに、小動物用人工呼吸器及び直腸温と連動させたヒーティングパッドを用いることによって、ラット副腎静脈血中に分泌されるカテコールアミンの量を連続的に長期間モニターすることが可能なin situの実験系を、はじめて確立することができた。このin situ実験系を用いて、まず食品成分のうちで、我々が日常摂取している辛味香辛料について、ラット副腎からのカテコールアミン分泌応答を検討したところ、トウガラシ辛味成分(カプサイシン)などに強い分泌亢進作用のあることがはじめて見出された。この作用は、我々が既に明らかにして来た高脂肪食摂取ラットにおけるトウガラシ辛味成分の脂質代謝の亢進・肥満抑制作用の発現(J.Nntr.116,1272-1278,1986)に深く関わっていることが示唆された。さらに、ある種の栄養素にも類似のカテコールアミン分泌亢進作用のあることが明らかになってきている。即ち、いくつかの食品成分(栄養素及び非栄養素)が、副腎からのカテコールアミンの分泌を変化させて生体のエネルギー生産機構に関与しているという全く新しい知見が得られつつある。これは食餌性肥満の発症に深く関与していると考えられている食餌誘発性体熱産生機構(Diet-Induced Ther mogenesis)の解明に重要な新知見を提供するものであろう。また、生体での主要なエネルギー貯蔵部位である脂肪組織中の交感神経系に対する食品成分の影響についてもあわせて検討を進めている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Kawada;T.Watanabe;T.Takaishi;T.Tanaka;K.Iwai: Proc.Soc.Exp.Bio.Med.183. 250-256 (1986)
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[Publications] T.Watanabe;T.Kawada;K.Iwai: Agric.Biol.Chem.51. 75-79 (1987)
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[Publications] T.Watanabe;T.Kawada;M.Yamamoto;K.Iwai: Biochem.Biophys.Res.Commun.142. 259-264 (1987)