1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 栄 東大, 教養部, 教授 (50011515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 和彦 東京大学, 教養学部, 助手 (00090522)
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Keywords | プラストキノン / ビタミン【K_1】 / 系【II】反応中心複合体 / 電子伝達体 / 系I反応中心複合体 / DBMIB / 光標識実験 / シネココッカス |
Research Abstract |
(1)本科研費で購入した高速液体クロマトグラフを用い、少量の試料についてプラストキノン,ビタミン【K_1】およびクロロフィルを同時にかつ正確に定量する系を開発した。その結果はMethods of-Enzymologyに印刷中である。(2)サブユニット組成の異なる5種の系【II】標品についてプラストキノン含量を調べ、同時に内光照射による吸光度変化を測定し、電子受容体として働く結合型プラストキノン【Q_A】および【Q_B】以外にも1分子のプラストキノンが結合していることを確かめた。このキノンは電子供与体Zであると推定したが、EPRシグナルの研究から示唆されている2種の電子供与体を説明できる量のプラストキノンは存在しないことが明らかとなった。(3)プラストキノンのアジド誘導体を用い光標識実験を行い、47KDaクロロフィル蛋白質にプラストキノンの結合部位があることを見出した。【Q_A】および【Q_B】は30KDa附近の蛋白質に結合しているので、この結果はZとして働くプラストキノンが47KDa蛋白質に存在していることを強く示唆する。(4)ジュロキノール(テトラメチルPベンゾキノール)から系1への電子伝達反応が、DBMIBにより拮抗的に阻害されることを見出した。この結果はジュロキノール,そしておそらくプラストキノールも、チトクロ-4【b_6】-f複合体に結合して電子を与え、DBMIBはキノン結合部位に拮抗的に結合することにより電子伝達を阻害することを示す。(5)シネココッカスの系I反応中心複合体には2分子のビタミン【K_1】が結合していることを先に見出したが、チラコイド膜をヘプタンで抽出し、すると50%のビタミン【K_1】が容易に抽出されることが分った。この抽出により系Iの末端電子受容体であるP430の光還元反応は阻害されないので、1分子のビタミン【K_1】は初期の光化学反応と無関係であると結論できる。しかし残りの1分子の役割は今後の問題である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yuichiro Takahashi: Eicchimica et Biophysica Acta. 848. 183-192 (1986)
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[Publications] Kazuhiko Satoh: Biochimica et Biopnysica Acta. 581. 202-208 (1986)
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[Publications] Masaru Nanba: Biochimica et Biophysica Acta. 851. 484-490 (1986)
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[Publications] Takashi Ohno: Biochim.Biophys.Acta. 852. 1-8 (1986)
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[Publications] Isao Enami: Plant ξ Cell Physiology. 27. 1395-1405 (1986)
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[Publications] Yuichiro Takahashi: Photosynthesis Research. 11. 29-36 (1987)