1988 Fiscal Year Annual Research Report
大動物用レントゲン診療車による乳牛潜在疾患の集団検診に関する研究
Project/Area Number |
61480087
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
広瀬 恒夫 帯広畜産大学, 獣医学科, 教授 (60003076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 和郎 帯広畜産大学, 獣医学科, 助手 (00133801)
佐藤 基佳 帯広畜産大学, 獣医学科, 助教授 (50003140)
山田 明夫 帯広畜産大学, 獣医学科, 助教授 (20003113)
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Keywords | 大動物用レントゲン診療車 / 潜在病変の摘発 / 金属性異物による創傷性疾患 / X線透視集団検診 / マグネット |
Research Abstract |
昭和63年度の大動物用レントゲン車による乳牛の潜在性疾患に対する集団検診実施頭数は618頭で、実施町村は、帯広市、別海町、根室市、足寄町、中標津町、標津町、浦幌町の7ヵ市町村であった。本年度は、本研究の最終年であるので3カ年間集団検診を実施した地区、あるいは牛舎の産乳量、病傷発生率の変化を調査し、また現在までに得られたX線透視検査所見、および超音波所見を整理し乳牛の体腔内臓器病変の診断基準を確立した。さらに大動物用レントゲン車による乳牛の集団検診の効果について総合的に評価した。 1.乳量および受精回数の調査成績では、各牛舎の各年度における1頭当り平均年間乳量の増加と平均受精回数の減少傾向がみられた。 2.病傷発生率の調査成績より、地域の異なるA町およびB町の各病傷の発生率の昭和59年と昭和62年の変化率においては、繁殖傷害、妊娠(産前産後)疾患、循環器傷害、消化器疾患の減少率が高い傾向を示した。この様に集団検診の実施により、実施地区の病傷発生率の低下があることが判明した。 3.集団検診所見の分類集計の結果をもとに、体躯内の各部位のX線透視所見の特徴病変を収録することにより、577例の病変像を新たな診断に際しての病例と比較することが可能となった。消化管内ガス像(第三胃、小腸、結腸)と胸腔内異常陰影像は集団X線検査によって初めて明らかにされた潜在病変であって、これらを異常所見とする判断は本研究により初めて成された。 4.集団検診の実施効果については間接的効果が主体であるので、生産環境内に集団検診の成績をいかに利用活用するかが問題になるが、集団検診の実施は生産者の疾病発症予防に対する啓蒙と臨床獣医師の再教育さらに学生教育に多大の効果があるものと判断された。
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