1988 Fiscal Year Annual Research Report
モノクローナル抗体による酵素の免疫組織化学的研究;特に胎児性偏倚を示す酵素について
Project/Area Number |
61480093
|
Research Institution | Department of Anatomy, School of Medicine, Keio University, Shinanomach-35, Shinjuku, Tokyo |
Principal Investigator |
安田 健次郎 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90050327)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩沢 昌英 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50170840)
相磯 貞和 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60138013)
山下 修二 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90050666)
|
Keywords | モノクローナル抗体 / グルタチオンSトランスフェラーゼ / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
グルタチオンSトランスフェラーゼ(GTS)は体内外において合成される有毒な化合物の解毒において重要な役割を果たしていると考えられているが、癌胎児性偏倚を示す酵素としても知られている。今年度はこの酵素のアイソザイムである肝臓由来のGTSについてもモノクローナル抗体を作成し、その特異性を確認した。また、昨年度得られた胎盤由来のアイソザイムに対するモノクローナル抗体についても検索した。 1.GTS-π(胎盤型アイソザイム) GTS-πに対する得られたモノクローナル抗体はIgG1(K)であり、ポリアクリルアミドによる泳動の後のウエスタンブロット、抗原とのバインディング・アッセイにより、その特異性を確認した。またELISA法により、抗体価の測定および他臓器との交叉性を検索したところ、ELISAプレートにコートした50μlの10μg/mlの抗原に対して、本モノクローナル抗体は10ng/ml希釈しても、抗原と反応し、コントロールと有意の差が認められた。交叉性は肺・肝・腎において認められた。 2.GTS-ε(肝臓型アイソザイム) ヒト肝臓組織をホモジェナイズした後、遠心・濾過・イオン交換クロマトグラフィーグルタチオン結合担体を用いたアフィニティークロマトグラフィー等の操作により肝臓型GTS(GTS-ε)を精製した。精製した酵素蛋白を抗原としてBalb/Cマウスに免疫後、その脾細胞をマウス由来骨髄腫細胞株であるSP2と細胞融合せしめ、特異抗体を産生するハイブリドーマをクローニングした。得られたモノクローナル抗体はIgGL(K)であり、ELISA・ポリアクリルアミド電気泳動の後のウエスタンブロット・抗原とのバインディング・アッセイ等により特異性を確認した。ヒト組織における免疫組織化学的検討をABC法を用いて行ったところ、肝細胞の細胞質にその局在が認められた。
|
-
[Publications] 安田健次郎: 医学のあゆみ. 146. 903-908 (1988)
-
[Publications] Kenjiro Yasuda,;Masahide Shiozawa,;Sadakazu Aiso.: Acta.Histochem.Cytochem. 21. 215-220 (1988)
-
[Publications] Shuji Yamashita,;K.S.Korach,: Histochemistry. 90. 325-330 (1989)
-
[Publications] Masahide Shiozawa,;Shuji Yamashita,;Sadakazu Aiso,;Kenjiro Yasuda,: J.Histochem.Cytochem.
-
[Publications] Sadakazu Aiso,;Kengiro Yasuda,;Masahide Shiozawa,;Hisashi Yamamoto,;Takashi Sogo.: J.Histochem.Cytochem.