1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本郷 利憲 東京大学, 医学部, 教授 (60013843)
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Keywords | 皮膚反射 / 介在ニューロン / 運動ニューロン / 指 / 脊髄 / 体部位局在 |
Research Abstract |
麻酔ネコの急性実験により後肢および前肢の皮膚反射の神経機構を解析し, 下記の成果を得た. 1.後足の皮膚反射経路のニューロン機構の解析 a)後足の中心肉趾および指の肉趾から指の伸筋運動ニューロンへの皮膚反射に対する側索切断の効果を, 筋電図と運動ニューロン細胞内電位を指標として解析した. L7ーS1側索の切断により, 足底皮膚からの興奮性および抑制性反射はすべて消失ないし減弱した. これは反射経路の介在ニューロンの軸索が側索を通って運動核へ作用を伝えることを示す. b)側索を吻側で切断すると, 先ず足の内側皮膚からの反射が脱落し, 切断レベルが尾側に移るにつれて外側皮膚からの反射も影響を受けた. この知見は皮膚反射路の介在ニューロンが吻尾方向に体部位局在することを示し, その局在性は皮膚刺激による脊髄背面電位の局在性と一致した. c)皮膚から入力を受け, 運動核へ投射する下行性軸索を側索に送る皮膚反射路の介在ニューロン候補をL6ー7で探索し, それらがRexed VーVII層に存在することを明らかにした. d)上記介在ニューロンと骨間筋神経の活動を同時記録し, spike trigーgered avaragingにより, 前者が骨間筋運動ニューロンにシナブス結合することを明らかにした. 2.前足における皮膚反射の解析 a)HRP逆行標識法により指伸筋運動核に投射する介在ニューロンの分布を調べ, それらが主にC6ー8のVーVII層に在ることを示した. b)反射経路の介在ニューロンは後足の場合と類似の体部位局在を示した.
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[Publications] Hongo,T.: J.Physiol.Soc.Japan. 49. 403- (1987)
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[Publications] Kitama,T.: Neuroscience Research. Suppl.5. S176 (1987)
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[Publications] Hongo,T.: J.Comparative Neurology. 262. 159-194 (1987)
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[Publications] Aoyama.M: Journal of Physiology. (1988)
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[Publications] Hongo.T: Neuroscience Research. (1988)