1988 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
61480106
|
|---|
| Research Institution | Nagoya University |
|---|
Principal Investigator |
伊藤 文雄 名古屋大学, 医学部, 教授 (30064794)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤墳 規明 名古屋工業大学, 教養部, 教授 (60101268)
曽我部 正博 名古屋大学, 医学部, 助教授 (10093428)
|
|---|
| Keywords | 筋紡鍾 / 機械受容変換器イオンチャネル / 凍結割断による膜内粒子 / 無髄軸索膨大部周辺への大粒子の集中 / 神経幹挫滅後の筋紡鍾応答の恢復と大粒子密度の並行関係 / タンパク合成阻害 / 膜粒子の短生存期間 |
|---|
| Research Abstract |
食用ガエルの半腱様筋から単離された筋紡鍾の感覚神経終末の機能がその終末の急速凍結割断法で得られたP面内の大膜内粒子(12nm以上)の密度と密接に関連していることがわかった。膜内粒子の大部分は12nm以下のもので粒子直径ヒストグラム上ではっきり区別できる。その大膜内粒子は神経軸索無髄終末の膨大部(珠玉様になっている)周辺に集まっている。その膨大部は神経終末中で最も変形しやすく、そして伸張中に容積が増す場所であることが報告されている。
食用ガエルの腰関節の背側で坐骨神経を挫滅した後の神経再生中に、伸張に対する応答は一過性放電から正常な放電へと恢復する。その経過にほぼ一致して大膜内粒子の密度は増した。しかし小膜内粒子密度は並行しない。腱切断によって6ー90日間、半腱様筋を正常値の約50%の長さに短縮させると、小膜内粒子密度は2〜6倍に増える。半腱様筋を正常長より約130%に引き伸ばした状態に8日間保った後、小膜内粒子密度は正常の60〜70%に減少した。それに対して大膜内粒子密度は50%短縮後も、また130%伸展後も変化がなく、伸張応答も正常のままであった。これらの実験結果から、大膜内粒子が伸張応答に関連するイオンチャネルである可能性が示唆された。
食用ガエルの尾部リンパ嚢内にアクチノマイシンD(タンパク合成阻害剤の一つ)を0.15mg/500g毎日注射すると、筋紡鍾感覚神経終末部の膜内粒子密度は大粒子も小粒子も、2日後に50〜60%に減少する。伸張応答も2日後には一過性の放電だけになり、伸張中続く持続性放電はなくなる。注射3日目には伸張応答も膜内粒子も消失した。これらの実験結果から、筋紡鍾感覚神経終末部の膜内粒子は2日くらいの短かい生存期間であることが推察された。
|
-
[Publications] Fujitsuka,N.: Journal of Neurocytology. 16. 185-194 (1987)
-
[Publications] Fujitsuka,N.: Brain Research. 415. 144-148 (1987)
-
[Publications] Fujitsuka,N.: Brain Research. 443. 243-253 (1988)
-
[Publications] Sokabe,M.: Brain Research. 443. 254-260 (1988)
-
[Publications] Diwan,F.H.: Journal of Anatomy. (1989)
-
[Publications] Fujitsuka,C.: Journal of Neurocytology.
-
[Publications] Akoev,G.N.: "Mechanoreceptors" Plenum, 220 (1988)
-
[Publications] 伊藤文雄: "筋感覚からみた運動制御" 名古屋大学出版会, 410 (1989)
