1987 Fiscal Year Annual Research Report
三次元視覚刺激装置を用いた高次視覚中枢の反応性と神経回路の解析
Project/Area Number |
61480111
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
外山 敬介 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (90090505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飼原 壽夫 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50194668)
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Keywords | 視覚 / 運動視 / 3次元運動 / クレアビショップ野 / 反応選択性 |
Research Abstract |
1.61年度に開発した3次元視覚刺激装置は刺激の表示装置として, 通常型(インタレース)のCRTを用いていた. このために映像にフリッカーが生じ, またCPUの計算速度も十分でないなどの問題があり, スムーズで早い3次元運動を再現することができず, クレアビショップ野細胞の3次元運動の十分な解析が妨げられていた. 2.本年度の研究ではCRTをノンイタレースの高精細度型とし, さらにラムディスクを導入し, CPUであらかじめ計算した映像データをラムディスクに蓄え, これを高速で(50HZ,ノンイタレース)で提示する方式を採用し, スムーズな3次元運動を再現することができた. 3.この改良された視覚刺激装置を用い, クレアビショップ野細胞の3次元運動に対する反応性を調べたところ, これまでの研究ですでに見出されている接近, 離反, 等距離運動細胞の他, 斜め方向の3次元運動, 例えば, 左上より右下方向への接近, あるいは離反運動などの3次元運動に選択的に反応する細胞も見出された. 4.これらの細胞は, 片方の目に斜め方向の運動を別々に提示したときには余り反応せず, これを両方の目に提示したときに強く反応する. しかも, 両方の目に, 全く同一の斜め方向の運動を提示したときよりも, 接近あるいは離反方向の運動視差を組合わせて与えるとはるかに強く反応することが示された. このことから, これらの細胞は左右の目で捉えられた運動情報に基いて斜め方向の3次元運動を認知すると考えられる.
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