三次元視覚刺激装置を用いた高次視覚中枢の反応性と神経回路の解析

1988 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 61480111
• Research Institution: KYOTO PREFECTURAL SCHOOL OF MEDICINE
• Principal Investigator: 外山 敬介 京都府立医科大学, 教授 (90090505)
• Keywords: 高次視覚野 / 19野 / 21a野 / PMLS / 反応選択性

Research Abstract

1.上シルビュース回には7野、19野、PMLS野、21a野などの高次視覚野があることが知られているが、その局在については研究者の間で論争があった。
2.本年度の研究では、西洋ワサビと過酸化分解酵素(HRP)を17野へ注入したときに生じる遠心性細胞の分布パターンと、61-62年度に開発した3次元視覚刺激装置により調べられた神経反応性に基づいて上記の高次視覚野の境界を定め、19野、PMLS野、21a野の神経細胞の方位選択性、方向選択性、end-stopなどの反応性を解析した。
3.この研究により、19野細胞は鋭い方位選択性とend-stop性を、PMLS野細胞は方向選択性とend-stop性を、21a野細胞は方位選択性を持つことが示された。
4.これらの反応性の外に、縞模様と視覚ノイズパターンに対する反応性、縞模様に対する空間周波数同調性などの特性を計測し、HRPの逆方向性標識による形態学的区分と神経細胞の反応性の組合せとの間の対応関係を多変量解析(mu1tivariate ana1ysis)により調べたところ、両者の間に高い相関(相関係数、0.86)が認められた。
これらの研究結果は高次視覚野はそれぞれ特有の反応選択性を持ち、それぞれ独自の情報処理に関与していることを示している。

Research Products

• [Publications] Komatsu,Y.: J.Neurophysiol.59. 124-141 (1988)
• [Publications] Mizobe,K.: Brain Res.438. 307-310 (1988)
• [Publications] Komatsu,Y.: Brain Res.442. 359-362 (1988)
• [Publications] Nakajima,S.: Brain Res.457. 176-180 (1988)
• [Publications] Toyama,K.: "Functional connections of visual cortex studied by cross-correlation techniques." John Wiley＆Sons Ltd., 203-207 (1988)