1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480144
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金ケ崎 士朗 東大, 医科学研究所, 助教授 (10012767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 哲太郎 理科学研究所, 主任研究員 (30029475)
棚元 憲一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60107430)
上野 郁子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60012738)
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Keywords | スーパーオキシド / 好中球 / 脂肪酸 / 酸素代謝 |
Research Abstract |
食菌に際して好中球やマクロファージが放出する活性酸素は、その殺菌作用に重要な役割を演じている。食作用が正常でもこの機能に欠損がある場合(例えば慢性肉芽腫症など)効果的な殺菌ができず、重篤な細菌感染を繰返す。活性酸素の放出機構の解析は、生体防御機構解明の上で不可欠であるがその実体は未だ不明である。 我々はブタ,ヒトの末梢血から、比重法により好中球を多量に分離精製した。この好中球を凍結融解すると、細胞質の流出した破砕細胞が得られた。このものに、ザイモザン粒子や、PMA,fMLP等の刺激物を与えてもスーパーオキシド(【O(^-_2)】の産生はみられなかった。しかし飽和,不飽和の長鎖脂肪酸で刺激し、NADPHを与えると【O(^-_2)】の産生のあることを見出した。既に特殊な脂肪酸について同様の報告はあったが、他の脂肪酸については否定的な報告しかなかった。これはカルシュウムイオンが、この反応を阻害する事に気付かなかった為と考えられる。カルシュウムは0.1mM程度で50%の阻害が見られた。実際、膜画分にカルシュウム存在下でラウリル酸などの飽和脂肪酸とNADPHを加えても反応はおきないが、これにEGTAを加えると直ちに反応が開始した。既に我々は、ヘム置換したホースラディシュパーオキシデースを使うと、好中球の酸素吸収と【O(^-_2)】の産生・同時測定ができる事を報告している(JBC,261,11444,1986)。今回、この方法を用いて、脂肪酸刺激時のNADPH依存【O(^-_2)】産生についての化学量論的解析をおこなった。その結果、飽和脂肪酸で刺激した場合、酸素吸収と【O(^-_2)】産生は、1=1の対応をする事が明らかとなった。この事は今回分離に成功した膜画分の酵素系は好中球の【O(^-_2)】産生系をおこなっている酵素系そのものである事を示している(BBRC提出中)。
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[Publications] Makino,R.;S,Kanegasaki: J.Biol.Chem.261. 11444-11447 (1986)
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[Publications] Makino,R.;S.Kanegasaki: J.Biol.Chem.
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[Publications] Tanaka,T.;S.Kanegasaki et al: Biochem.Biophys.Res.Commun.
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[Publications] Tomita,T.;S,Kanegasaki: Cellular Chemiluminescence. 2. 10 (1987)