1988 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトT、B細胞クローンによる自己抗体産生調節の解析と応用
Project/Area Number |
61480177
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐々木 毅 東北大学, 医学部付属病院, 講師 (50110656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 一靖 東北大学, 医学部付属病院, 講師 (60125507)
菅村 和夫 東北大学, 医学部, 教授 (20117360)
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Keywords | 抗DNA抗体 / B細胞クローン / T細胞クローン / 自己抗体 / 全身生エリテマトーデヌ |
Research Abstract |
1.ヒト抹消血由来B細胞をEBウィルスでトランスフォームした後に、特異抗原に対するB細胞クローンの発現頻度を検討した。その結果、活動期のSLEでは、非活動期に比べて、抗DNA抗体産生クローンの選択的な増加を証明できた。一方、抗DNA抗体に対する抗Id抗体産生B細胞クローンは、急生期では、むしろ減少し、非活動期で増加していた。この細胞レベルの成績は、ヒト血中における抗DNA抗体、イディオタイプ、抗イディオタイプの動態とく一致しており、抗イディオタイプ抗体による抗DNA自己抗体発現の調節作用を示すものと考えられた。 2.前年に引き続きDNA特異的T細胞クロンの獲得を計った。しかし抗DNA抗体産生機序に対して特異的な作用を示すT細胞フロンはまだ選別できていない。 3.ヒトモノクロナル抗DNA抗体に対して作成したバイブリドーマの分泌するモノクロナル抗イディオタイプ抗体は、ヒトのin vitrsにおける抗DNA抗体産生を選択的に制禦しえた。複雑なネットワークの存在する生体内において、抗Id抗体の役割を明らかにするために、抗Id抗体をネオカルチノスタチン(NCS)に結合し、自己免疫病モデルNZB/W、Fマウスに長期間投与した。その結果、抗Id-NCSを投与した群においては、生存期間の延長、尿蛋白の陽性化やその増加に対して遅延がもたらされた。この投与群マウスの血中における抗DNA抗体、及びその対応するId発現が現象していることも証明できたことから、抗Id抗体による自己抗体産生細胞の選択的除去によるものと考えられた。この知見は、抗Id-NCSによるSLEの新しい治療への可能性を示すものである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Sasaki;E.Tamate;et al: Journal of Immunology. 142. 1159-1165 (1989)
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[Publications] H.San;T.Sasaki;et al: Scandinavian Jounal of Immunology. (1989)
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[Publications] T.Sasaki;Y.Koide;K.Yoshinaga.: Methods in Enzymology. (1989)
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[Publications] K.Itoi;T.Sasaki;et al.: American Journal Gastroenterology. 84. 187-191 (1989)
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[Publications] T.sasaki;et al.: Journsl of Rheumatology. (1989)
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[Publications] T.sasaki;et al.: Journal of Clinical Investigation. 82. 748-754 (1988)