1986 Fiscal Year Annual Research Report
経口可能アジュバントのB型肝炎ワクチンの効果増強作用に関する研究
Project/Area Number |
61480181
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
石坂 重昭 奈良県医大, 医学部, 講師 (90159715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 正人 奈良県立医科大学, 医学部, 助手
久保 良一 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (20183311)
西村 公男 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (20183543)
辻井 正 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30075064)
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Keywords | タウリン / リチウム / interleukin-1(IL-1) / 経口アジュバント / B型肝炎(HB)ワクチン / 非特異的抗体産生 |
Research Abstract |
1)タウリンはマウスにおけると同様にヒトにおいても1L-1産生を誘導し、またB cellの活性化にはマクロファージが必要であった。タウリンはT cellのconcanavalinA(ConA)反応を抑制するとともに、ConA誘導の1L-2産生も抑制した。はた、タウリンはallogeneicとautologous mixed lymphocyte re-action(MLR)および遅延型比膚反応を抑制することから、タウリンはeff-ector T cellをも抑制すると考えられる。それゆえ、タウリンは少なくともT cellに対しては抑制的であった。タウリンのアジュバント効果および非特異的抗体産生に関して無反応マウス(C57BL/6)ではタウリンにより1L-1を産生するが、1L-1に対する反応は低または無である。さらに、タウリンによるB cellへの直接作用も低下していた。それゆえ、タウリンのアジュバント機序はタウリンによる1L-1産生と感受性の亢進およびB cellへの直接作用によると考えられる。 2)B型肝炎(HB)ワクチンを40〜50才の健常男子36人を2群に分け、第1群(18人)はHBワクチンのみ、第2群(18人)はHBワクチン接種前日と当日に1日タウリン12g、炭酸リチウム400mgを経口投与した。3カ月目で第1群は2名、第2群は3名が抗HBs抗体を獲得した。昭和61年12月に3回目のHBワクチンの接種を行い、1カ月目での抗HBs抗体陽性者は第1群で、38.9%(18名中7名)で無応答者が多かったが、第2群では66.7%(18名中12名)であり、経口アジュバントを併用することにより、抗HBs抗体陽性者が増加した。第2群での抗HBs抗体陰性者のリンパ球はin vitroのタウリンによる非特異的抗体産生の誘導を認めなかったが、第2群の抗HBs抗体の陽性化した者ではタウリンに対してin vitroで非特異的抗体産生を半数に誘導しえたことにより、タウリンに対して無応答の者にはタウリンのアジュバント効果は認めなかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 石坂重昭,他: 唾液腫シンポジウム. 27. 33-35 (1986)
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[Publications] 石坂重昭,他: 日本内科学会雑誌. 75. 235- (1986)
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[Publications] 石坂重昭,他: 医学のあゆみ. 140. 33- (1987)
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[Publications] 石坂重昭,他: 含硫アミノ酸. 9. 199-204 (1986)
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[Publications] Kuriyama,S:,et al: Clin.exp.lmmunol.